全国400万人の発症者がいると言われる脊柱管狭窄症。“単なる腰痛”と思って医師の診断を受けていない推定発症者数も含めると500万人超とも言われている。壮絶な痛みとの闘いを生き抜いた布施博さん(63)の体験談を取材した。
病状が深刻化すると手術が選択肢となる一方で、手術を選ばない人もいる。俳優・布施博さんがそうだ。
「2018年に出演した医療バラエティー『名医のTHE太鼓判!』で脊柱管狭窄症と診断されたんです。当時は仰向けでも足を伸ばせないくらい痛くて、右足だけ膝を立てるか、左側を下にして横向きに寝て右膝を曲げて寝ている状態でした。朝起きたら、足を引きずりながらソファまで行って座る毎日。だけど1か月ほどで痛みが薄れたのでそのままにしていたら、あの番組で脊柱管狭窄症だと言われたんです。
その後、病院で診てもらったら、痛みで寝返りが打てないとか眠れないなどの支障がない限り、手術は不要だと言われて放置していたんです。それが去年の年末に、腿の後ろと股関節の右側がすごく痛くて、脚を引きずって歩くほどになってしまった。病院に行ったら、腿の後ろの痛みは腰からきてると言われ、MRI画像を見たら番組で見せていただいたものと同じだった。手術ではなく、ブロック注射での治療を選択しました。そうしたら痛みがなくなった。
今では全く痛みもなく回復しています。神経の血流を促進する血流改善薬も処方されたのですが、これも効いているのかもしれません」
現在はテニスボールを使ったストレッチを実践しているという。
「背骨の真ん中にテニスボールを置いて仰向けで寝て、背中から腰までごろごろと転がす。これは背骨が伸びて気持ちがいいし、腰にもいい。結局、加齢とともに神経はすり減るので、無理のない運動やストレッチを毎日欠かさずするしかないですね。僕は今後も痛みが強くならない限り手術をする必要はないと感じているし、このままの生活を続けていきます」