今クール最大の話題作と呼び声高いドラマ『ミステリと言う勿れ』(フジテレビ系、毎週月曜午後9時~)。毎話放送後に話題となるのは、菅田将暉演じる主人公の久能整が淡々と語る数々の言葉だ。同作は『月刊フラワーズ』で連載中の漫画が原作。そこで原作者の田村由美さんに名ぜりふの秘密などをインタビューしました!
「自分の作品がドラマ化されることは初めてで、しかも主演が菅田将暉さんと聞いたときは、彼以上の久能整は考えられないと、本当にワクワクしました。菅田さんは、原作の整の雰囲気をなぞるだけではなく、『何のために演じるのか、何を伝える話なのか』まで深く掘り下げて考えてくださり、“人間・久能整”を作り上げてくださいました。なので、毎週放送を見るのが本当に楽しいです」
そう語る田村先生。この作品は、整が淡々と語るせりふが大きな魅力のひとつだ。
「キャラたちの会話は、実際に口に出しながら描くことが多いです。特に整の言葉には、自分が普段から考えていることや、映画やドラマ、ニュースを見て疑問に感じたこと、ツッコミを入れたくなったことが入っていたりします。こうあってほしいという願望もです。ただそれは自分の思いであって、読んでくださる方にお話を楽しんでもらえるのがいちばん大事だと思っています。
整のモデルは特にいないのですが、友人からは『いままでの主役の中でいちばんあなたに近い』と言われて驚いています。自分は無口な方なんですが……(笑い)」
整には、田村先生の思いや願いが込められているのかもしれない。なかでも田村先生が特に印象深いせりふを厳選してくれました! あなたの心に響くせりふは?
■1巻「猫は、あなたに死ぬところを見せたくなかったんです」(4話)
刑事の風呂光聖子(伊藤沙莉)が猫の死に目に会えず悲しんでいたと、同僚の池本優人(尾上松也)に言われたときの言葉。「これは友人から聞いた言葉です。その後、別の近しい人が愛猫を亡くして悲しんでいたとき、この言葉を伝えると『そう考えれば少し気が楽になるわ』と。同じ思いをしている人がいると思って描きました」(田村先生・以下同)。