正午を少し回った頃、その男は“朝食”を口にしてゆっくりと一日をスタートさせる。メニューは大きなオムレツかオーツ麦のおかゆ。食後はプールで2時間ほど豪快にクロールで泳ぎながらひとり自国の未来に思いを巡らせるという。男の名は、ウラジーミル・プーチン(69才)。ウクライナ侵攻を命じ、全世界の注目を一身に集めるロシア大統領である。
「侵攻から4日目、ウクライナの首都キエフが陥落しないことにいら立ち、ロシアの核戦力部隊に臨戦態勢をとるように指示しました。降伏しないなら核攻撃も辞さない。プーチン氏の強硬路線が、最悪の事態を招こうとしています」(大手紙外信部記者)
欧州の主要国が隣国に侵攻するのは、第二次世界大戦以来、初めてのことだ。プーチン氏はその大義名分として、「ウクライナ国内のロシア系住民を保護する必要がある」と主張している。侵攻以降、ウクライナの東部や首都キエフなどでは連日爆発音が鳴り響き、子供を含む多くの死傷者が出ていることが報じられている。
一方で、ロシア国内でもプーチン氏主導の戦争に否定的な声が少なくない。侵攻前夜、ロシア軍関係の組織「全ロシア将校協会」が文書を発表した。そこには「これまでロシアがかかわった戦争は、外敵に攻められて仕方なく応戦した自衛戦争だが、今回は利己的な目的の戦争である」と書かれている。つまり、プーチン氏が自分の資産や財産、地位や名誉を守るための私利私欲の戦争ではないかと、糾弾しているのだ。
プーチン氏の暴挙の裏には、ロシア国内では決して触れられることのないプライベートのタブーが存在する。プーチン氏の過去にはこんな抹消された“秘密”があると、まことしやかに囁かれている。
「プーチン氏の母親は、ほかにいるという説があります。大統領就任直前の2000年2月、隣国のグルジア(現ジョージア)に住む高齢女性が、プーチン氏の生みの親として地元の新聞やテレビに取り上げられました。この“実母”の証言が一冊の本にまとめられ、『ロシア大統領の秘められた経歴』というタイトルで出版された。しかし発売直後にロシア当局から発禁処分を受け、大半が破棄されました」(ロシア在住の日本人ジャーナリスト)