コロナ禍のため、入国の遅れていた巨人の新外国人選手であるポランコ、ウォーカーの両外野手、シューメーカー投手が近々来日する予定で、開幕に間に合う可能性も浮上してきた。昨年、本塁打、打点の2冠王を獲得した4番・岡本和真の後ろをポランコに任せたい意向の原辰徳監督にとっては、朗報といえるだろう。プロ野球担当記者が話す。
「メジャー通算96本塁打、98盗塁のポランコがクリーンアップを打って、一昨年のパ・リーグ打点王である中田翔を6番、7番辺りで起用できれば、打線に厚みが増します。ポランコ、ウォーカーが額面通り活躍すれば、巨人優勝の確率は高くなる。
ただ、無理して開幕から2人を使う必要はない、という考えもある。アメリカで調整していたとはいえ、日本での生活やプレーには慣れていない。オープン戦でよほど打たない限りは、ある程度ファームで実戦を積んでから一軍に上げた方がいいと思います。過去を振り返ると、巨人の新外国人野手は最初の5試合で波に乗れるかどうかに懸かっているんです」
昨年もコロナ禍のため、新外国人のスモークとテームズがなかなか入国できず、開幕には間に合わなかった。2人は4月中旬に来日し、二軍で数試合出場した後、4月27日に一軍へ昇格。しかし、テームズはデビュー戦でアキレス腱断裂という悲劇に見舞われ、3日後にアメリカに帰国し、8月に自由契約となった。
「巨人が自前で獲得してきた新外国人野手で、この10年で活躍したのはロペスやアンダーソンくらいです。“キューバの至宝”と評されたセペダ、メジャーで2年連続2桁本塁打を放っていたフランシスコなど、前評判通りにはいかない選手が圧倒的に多い。原監督は、打てないと判断すればすぐに代える。他球団以上に、巨人の新外国人はスタートダッシュが求められます」
活躍した2人の最初の5試合を振り返ると、2013年に入団したロペスは打率4割2分1厘、2本塁打、5打点と打ちまくり、マルチ安打も3試合あった。翌年加入のアンダーソンは脅威の打率5割で2本塁打、7打点。4月2日のDeNA戦では5打数5安打と爆発し、5点差を大逆転する立役者となった。
ロペスはそのまま波に乗って、長嶋茂雄氏と松井秀喜氏の国民栄誉賞表彰式が行われた5月5日の広島戦で1対0の決勝ホームランを放つなど活躍し、規定打席に到達して打率3割3厘をマークした。アンダーソンはケガで2度の登録抹消があり、規定打席には届かなかったものの、打率3割1分9厘、OPS(出塁率+長打率).897でチームの3連覇に貢献した。
「家族と会えない寂しさから自ら退団を申し出た昨年のスモークも最初の5試合で打率4割2分1厘と打っており、一時は岡本和真の後の5番を任せられる久々の外国人になる期待が高まっていた。コロナ禍でなければ、シーズンを通して活躍した可能性はありました」