愛するペットの命を守るのは飼い主の役目。もしもペットがけがを負ったり、体調が急変したら、症状が悪化しないよう速やかに処置することが大切だ。日常生活で起こりやすいペットの事故・トラブルの対処法を紹介する。
骨折/バスタオルで体全体を包んで患部を固定
骨が成長しきっていない子犬・子猫はもちろん、チワワやトイ・プードル、イタリアン・グレーハウンドなど、足の細い犬は骨折しやすい。日本国際動物救命救急協会代表理事のサニーカミヤさんが説明する。
「足を引きずっていたり、地面につけないように歩くなどの素振りが見られたら、骨折している可能性が高いです。触ると嫌がって噛む恐れがあるので、大きなバスタオルなどで患部を含めてやさしく包んで抱き上げ、病院に連れていきましょう。添え木で固定する人がいますが、逆に神経を傷つけてしまう恐れがあります。そのせいで歩けなくなることもあるので、注意が必要です」
開放骨折など、骨が皮膚から飛び出ている場合は、傷口の汚れを水で洗い流すこと。
動物病院への搬送時は、膝の上に乗せて、なるべく振動が伝わらないよう配慮しよう。
また骨折の予防として住環境を整えることも大事。ベッドでペットと一緒に寝ている人は、ベッドの周りにクッションを敷くこと。階段には滑り止めシートを貼っておこう。
やけど/服は着せたまま 流水で患部を冷やす
熱々の鍋を運ぼうとした際、足元にいた犬に気づかずにつまずき、中身を犬にかけてしまった──このような事故がこの時期、多く起きているという。
「熱い液体をかぶってしまった犬は全身やけどを負うことになります。この場合、すぐに流水で患部を冷やさなければなりませんが、熱湯をかぶったペットを素手で抱き上げると、飼い主も手にやけどをします。ですから、必ずタオルなどを使って抱き上げること。そして、台所であれば流し台に犬を入れ、服を着ている場合はその上から水を流し、1〜3分冷やします。大型犬の場合は、浴室に連れていき同様の対応をとります」(サニーカミヤさん)
冬は石油ストーブやホットカーペット、こたつの当たりすぎによる低温やけどを発症する犬・猫も多い。低温やけどの場合、すぐに気づけず、冷やすなどの対応が遅れるので、ペットを飼っている家庭はなるべくエアコンで暖をとるのが望ましい。