NHK朝の連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』がいよいよ最終回まで1か月を切った。物語は3代目ヒロイン・ひなた(川栄李奈)の時代だが、2代目ヒロイン・るいを演じた深津絵里は、引き続きひなたの母親として出演している。
ひなたの祖母・安子(上白石萌音)から始まる3代を3人のヒロインで繋ぐという新たな試みが話題の『カムカム』だが、なかでも深津の役は特殊である。「ヒロイン」がその後、「ヒロインの母」になるというのは朝ドラ史上、前例のない展開だからだ。ベテラン芸能ライターが語る。
「ヒロインを支え続ける母親役は、女性の一代記を描いてきた朝ドラにおいて、ヒロインと並ぶ重要な役どころです。『おしん』の泉ピン子さんをはじめ、『あまちゃん』の小泉今日子さん、『まんぷく』の松坂慶子さんら、錚々たる女優たちが名を連ねてきました。
今回、深津さんは実年齢から30歳離れた18歳ヒロインを演じることで話題になりましたが、それ以上に『るい』編のヒロインだった深津さんが『ひなた編』に母親役として出演し続けることが意外でした。上白石さんが『安子』編の終わりで姿を消したため、深津さんも『るい編』の後に何らかの理由でフェードアウトするとみられていました。というのも、深津さんが本格的な母親役を演じたことはこれまでなかったからです。
しかし、予想に反して深津さんはそのまま出演し、初めてとは思えないほど自然体に母親役を演じています。オダギリジョーさん演じる父親とともに、娘のひなたさんを温かく見守る姿に、視聴者は安心感を覚えていることでしょう」