国際情報

在日ロシア人、ウクライナ人の戸惑い 両国の女性が働くクラブではプーチン信者や戦地の故郷思い涙する人も

ウクライナは戦火に包まれている(時事通信フォト)

ウクライナ侵攻でロシア、ウクライナ両国の人々の対立も(時事通信フォト)

 警察や軍関係、暴力団組織などの内部事情に詳しい人物、通称・ブラックテリア氏が、関係者の証言から得た驚くべき真実を明かすシリーズ。今回は、ロシアによるウクライナ侵攻で生活が一変した、日本国内に住むロシア人、ウクライナ人の現状や心境を探る。

 * * *
 国際的ハッカー集団「アノニマス」が3月6日、ロシアの国営テレビなどを数十秒間に渡りハッキングし、ウクライナでの戦闘映像を放送したとツイッターで公表した。映像の中でアノニマスは、「国際的な出来事をロシアメディアが少ししか報じていないという報告を受けている」と主張しロシア政府の情報統制を批判、「戦争に声を上げよう」とメッセージを送った。

 ロシア政府による情報統制は厳しさを増している。永住ビザを持ち、日本国内で暮らすウクライナ人女性、Aさんは、モスクワに住む母親の身を案じて電話をかけ、こんな話をしたという。

「母に『大丈夫?問題はない?』と電話をしたら、『何、どうしたの?』と言うので、『ウクライナと戦争になったでしょ』と言ったら、『えっ、戦争? 何のこと?』と。ロシアがウクライナに侵攻して10時間以上経っていたのに、母はそれを知らなかった。ロシアのテレビでは、ウクライナへの攻撃をニュースで流していなかったんです」 

 ロシアの中でも、ネットやSNSを利用せずテレビを主な情報源としている人たちの中には、今でもウクライナとの戦争について詳しく知らない者もいるという。だがAさんは、政府による厳しい情報統制が、ロシアに住むウクライナ人の身を危険にさらすことになるのではないかと心配する。

「母の身が心配です。母にはなるべく家から出ないように言いました。周りの人はみんな母がウクライナ人だと知っているから。いつどこで、報復されるか分かりません」

 日本人と結婚し、都内に住むウクライナ人女性、Bさんは、連日ロシアによる攻撃が激しくなるウクライナでは、人々の間にいがみ合いや対立が起き始めていると話す。

「姉はキエフに暮らしており、その夫は18年も前からロシアに出稼ぎに出ているのですが、親族が姉やその夫のことを“裏切り者”と言っていると聞いて、ものすごく驚きました。

 これまでずっとロシアで働いてきて、親族はそのことについて誰一人何も言わなかった。ロシアがウクライナを攻撃し始めると、親族たちが電話をかけてきて、姉にあいつは“裏切り者だ”と罵ったんです。18年ですよ。そんな前からロシアにいるのに、なぜ?と悲しくなりました」

関連キーワード

関連記事

トピックス

悠仁さまが大学内で撮影された写真や動画が“中国版インスタ”に多数投稿されている事態に(撮影/JMPA)
筑波大学に進学された悠仁さま、構内で撮影された写真や動画が“中国版インスタ”に多数投稿「皇室制度の根幹を揺るがす事態に発展しかねない」の指摘も
女性セブン
ショーンK氏が千葉県君津市で講演会を開くという(かずさFM公式サイトより)
《ショーンKの現在を直撃》フード付きパーカー姿で向かった雑居ビルには「日焼けサロン」「占い」…本人は「私は愛する人間たちと幸せに生きているだけなんです」
NEWSポストセブン
気になる「継投策」(時事通信フォト)
阪神・藤川球児監督に浮上した“継投ベタ”問題 「守護神出身ゆえの焦り」「“炎の10連投”の成功体験」の弊害を指摘するOBも
週刊ポスト
長女が誕生した大谷と真美子さん(アフロ)
《大谷翔平に長女が誕生》真美子さん「出産目前」に1人で訪れた場所 「ゆったり服」で大谷の白ポルシェに乗って
NEWSポストセブン
3月末でNHKを退社し、フリーとなった中川安奈アナ(インスタグラムより)
《“元カレ写真並べる”が注目》元NHK中川安奈アナ、“送別会なし”に「NHK冷たい」の声も それでもNHKの判断が「賢明」と言えるテレビ業界のリスク事情
NEWSポストセブン
九谷焼の窯元「錦山窯」を訪ねられた佳子さま(2025年4月、石川県・小松市。撮影/JMPA)
佳子さまが被災地訪問で見せられた“紀子さま風スーツ”の着こなし 「襟なし×スカート」の淡色セットアップ 
NEWSポストセブン
第一子出産に向け準備を進める真美子さん
【ベビー誕生の大谷翔平・真美子さんに大きな試練】出産後のドジャースは遠征だらけ「真美子さんが孤独を感じ、すれ違いになる懸念」指摘する声
女性セブン
『続・続・最後から二番目の恋』でW主演を務める中井貴一と小泉今日子
なぜ11年ぶり続編『続・続・最後から二番目の恋』は好発進できたのか 小泉今日子と中井貴一、月9ドラマ30年ぶりW主演の“因縁と信頼” 
NEWSポストセブン
大谷と真美子さんの「冬のホーム」が観光地化の危機
《ベイビーが誕生した大谷翔平・真美子さんの“癒しの場所”が…》ハワイの25億円リゾート別荘が早くも“観光地化”する危機
NEWSポストセブン
公然わいせつで摘発された大阪のストリップ「東洋ショー劇場」が営業再開(右・Instagramより)
《大阪万博・浄化作戦の裏で…》摘発されたストリップ「天満東洋ショー劇場」が“はいてないように見えるパンツ”で対策 地元は「ストリップは芸術。『劇場を守る会』結成」
NEWSポストセブン
同僚に薬物を持ったとして元琉球放送アナウンサーの大坪彩織被告が逮捕された(時事通信フォト/HPより(現在は削除済み)
同僚アナに薬を盛った沖縄の大坪彩織元アナ(24)の“執念深い犯行” 地元メディア関係者が「“ちむひじるぅ(冷たい)”なん じゃないか」と呟いたワケ《傷害罪で起訴》
NEWSポストセブン
中村七之助の熱愛が発覚
《結婚願望ナシの中村七之助がゴールイン》ナンバーワン元芸妓との入籍を決断した背景に“実母の終活”
NEWSポストセブン