コロナ禍で自炊をする人が増えたこともあり、家庭から出るゴミが増えているという。しかし、ゴミ処分場も無限ではない。このままでは日々出るゴミが行き場がなくし、街なかにあふれてしまう危険性もあるのだ。そこで、少しでもゴミを減らすべく、女性セブンの名物ライター“オバ記者”こと野原広子が、ゴミゼロ生活に挑戦した。
わが人生のゴミものがたり
「エコ」より楽。そんな64年の人生でゴミ問題を正面から真剣に考えたのは今回が初めてです。
もちろんゴミの分別を完全に無視するようなマネはしませんでしたが、可燃の中に不燃を混ぜたことが一度もないかというと黙るしかありません。
28才でバツイチになり……。
その後、今日の今日まで気ままなひとり暮らし、と言えば聞こえはいいけれど、ひと皮むけば毎日が泥舟の上。消費者金融からの督促に怯えた日も長く、顔で笑って心でビクビク。そんな人間がゴミの分別だけキッチリなんてことは、ありえません。“公共心は、来月の家賃の心配をしない人間だけに備わった徳”と、これだけは確信をもって言えます。
40才から16年住んだアパートはエレベーターなしの4階建ての4階で、ゴミ出しもひと騒動でした。
ゴミ集積所の前に自ら「感情のコントロールができない」という初老の女性が住んでいて、「カラスが来るだろッ。ちゃんと網かけろ」と何度怒鳴られたことか。
それでゴミ出しは清掃車が来る直前にすることにしたのですが、タッチの差で清掃車は発車してしまい、両手に生ゴミでいっぱいの袋を提げて全力で追いかけたりして。
清掃員の人が気づいて止まってくれたこともありましたが、たいがいはまた4階まで持ち帰ることになりました。
いくらか暮らしが安定したのは50代半ばのこと。
いまここで心を入れ替えたら、ダメダメだったゴミ人生が逆転して、少しは胸が晴れるかしら。
そんなことを思いつつ、いつも通りの買い物で、どのくらいゴミが出るのかを見てみることに。1週間分ともなるとレジ袋2つにはなるのよね(今回は、これまで通り、レジ袋も購入してみました)。
家に戻って、買ってきたものを並べてみます。しゃぶしゃぶ用の豚肉に、鶏肉のつくね、ロールキャベツに鮭のアラの粕漬け……と、お腹が空いていたのでお総菜やサンドイッチも買っちゃった。
で、それらを容器や梱包材から出してみて、改めてびっくりよ。いままできれいに食材たちを包んでいたのに、中身を取り出したら、見てよ! このゴミ具合!!
いつも行くスーパーで「持参の容器に入れてください」と言ってみたら…
“サステナブル”という言葉を最近、よく耳にする。「究極はサステナブルですよね」と、ポッと顔を赤らめて言うの。