追い詰められたプーチン氏の暴走が日本に「飛び火」する可能性は充分あるのだ。もし「核のボタン」で狙われるとしたら、標的になる可能性が高いのは米軍基地だろう。日本には北海道から沖縄まで全国各地に130か所の施設がある。そこがまず狙われる恐れがある。原発も危険だ。実際、ウクライナでもチェルノブイリのほか稼働中の原発が制圧されている。現在、日本で稼働している原発は高浜原発(福井)など10基ある。
「今回の軍事侵攻でも行われた原発制圧はインフラを押さえるという意味だけではなく、原子炉を狙った核戦略と考えられます。つまり、原発を爆発させ、核として使うのです」
国内の原発が武力攻撃を受けたらどうなるのか。山口壯原子力防災担当相は「チェルノブイリのときよりも、もっとすさまじい。町が消えていくような話だ」と語っている。
「ウクライナは今後3〜4年は混乱するでしょう。ロシアが核を使う可能性が高いほか、原発を爆発させる可能性もあり、冷戦より恐ろしい事態が懸念されます」
解決策としてプーチン氏暗殺の声もあるが、彼の死によって、さらに重大な結果を招く恐れもある。ソ連時代の1985年からロシアは「死の手(ペリメトル)」という瞬時に報復核攻撃を行う自動制御システムを備えているという。人為的なプロセスを省略し、発動するとロシア各地に配備されているおよそ1600もの核ミサイルが自動的に発射されるというものだ。
「プーチン氏が暗殺され、外国の仕業であると判断した場合や、それに伴う混乱により偶発的に『死の手』が動かされる恐れがある。照準は西側諸国の大都市に向けられているとされ、日本では首都・東京は間違いなく狙われるでしょう。ほかにも、大阪や京都、福岡など主要都市は核の標的にされているはずです」(竹内さん)
ウクライナ危機は、決して対岸の火事ではないのだ。
※女性セブン2022年3月31日号