ロシアによるウクライナへの軍事侵攻は、終わりが見えない。首都キエフ周辺をはじめ戦火は各地に広がり、複数回にわたる停戦交渉も難航している。長引く戦闘にロシア軍、ウクライナ軍の兵士のみならず民間人の死者数も増え続けている。当初は短期間でウクライナを制圧できると踏んでいたプーチン大統領の目論見は大きく外れ、経済制裁によってロシア国内で物価が急騰。反戦デモも全土に広がりつつある。そうした状況下で、プーチン氏は自らの身の危険を感じ、警戒を強めていることはないのだろうか。
歴史を振り返っても、独裁者や強権的な指導者は、部下や国民を締め上げる一方で、それに反旗を翻す者たちに狙われることを恐れて自らの替え玉となる「影武者」を用意していたとされる情報が数多くある。北朝鮮の金正日総書記やリビアのカダフィ大佐などは、何度も影武者情報が報じられ、イラクの独裁者だったサダム・フセイン大統領の長男・ウダイの影武者だったと名乗る男性のエピソードが映画化されたこともある。
プーチン氏を巡っても、インターネット上などで影武者の存在が何度となく取り沙汰されてきた。さらには、2020年にロシア国営タス通信が実施したプーチン氏へのインタビューの中で、本人にその情報を確かめたこともある。そこでは次のようなやりとりがあった。
インタビュアーが「プーチンという名前でどんな検索がされているか調べたところ、“プーチン そっくりさん 証拠”というワードが上位に出てきた」と指摘し、「あなたは本物?」と本人に尋ねたのである。