都立高校二次試験の合格発表があり、2022年4月入学へ向けた東京都の高校入試シーズンも終わりが見えてきた。定員に満たない都立高校はこれから三次募集があり、新入学への準備が東京都ではギリギリまで続けられる。その2022年入試では、みずからSNS発信をしている一人の有名人の子供が、高校受験浪人をしてしまうかもしれないと注目を集めている。俳人で著作家の日野百草氏が、高校受験で浪人をすることは現実的なのかについて、学習塾で長く講師を務める高校受験のプロに聞いた。
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「私立にしろ、都立にしろ、内申点(調査書点)は親御さんも受験生本人もある程度は把握しているはずです。いまは少子化もありますから上位層以外は『入れる高校』をすんなり受けて、高校生活に臨む、というのが一般的なのですが」
高校受験に精通する大手学習塾のベテラン室長が首を傾げる。女子プロレスラーでタレントのジャガー横田さんと医師で大学教授の木下博勝さんの長男、木下大維志さん(15)の高校受験、これまで6回の入試で不合格、「このままでは高校浪人」とネットユーザーが反応、大維志さんがインスタグラム上で反論するという一幕もあった。
「大昔はナンバースクールに入るために高校浪人、なんて子も地方にはいましたけど、いまは大学受験で挽回できますからね、そもそも高校受験で無理することはないと個人的には思います」
かつてのバブル世代や団塊ジュニア世代などは受験倍率も高く、不明瞭な内申書にも苦しめられた人が多いかもしれないが、少子化と受験改革を経た現在は、以前ほど高校受験で苦しむ受験生は減っているという。また現在でも東京都と地方では受験システムに大幅な違いがある。本人が公立(都立)の全日制普通科に入学したければ、どこでもいいなら3次募集までで大方は入れるシステムになっている。いたれりつくせり、対策もとりやすい。
「内申点は中学3年の1学期までの通知表でおおよそは把握できます。昔に比べて受験方式も多種多様ですが、基本は変わらず実力より上のチャレンジ校、実力通りの本命校、そして万が一のために滑り止め校と受けます。もちろんどうしても入りたい私立なら単願という手もありますし、都立志望ならランクを少し下げて安全策をとります。その辺は昔と変わりませんが、安全志向は強まっています」
補足するなら、「一般試験は推薦じゃないので試験だけ頑張ればいい」は昔の話で、ましてや「素行不良でも試験本番だけ高得点で極端な大逆転」は起きにくくなっている(とくに都立、もちろん絶対ではない)。内申点の比重はそれほどまでに大きくなっている。