ターニングポイントは2020年
では、アトラクション型のゲームバラエティが土日のゴールデンタイムで直接対決するほど増えているのは、なぜなのでしょうか。
長年にわたって放送されてきた『逃走中』も2016年と2017年は年1回に留まり、派生番組の『戦闘中』も2019年と2020年の放送はゼロ。しかし、『逃走中』はここ3年間4回ずつ放送され、『戦闘中』は昨年復活して2度放送されました。また、昨年は前述したように『モノノケハント』も3回放送され、もう1つ『超水上サバイバル オチルナ!』というゲームバラエティも放送されています。
一方、『THE鬼タイジ』の初回放送は2020年12月5日でした。当時は映画『鬼滅の刃 無限列車編』が大ブームの真っ最中であり、「鬼タイジ」というコンセプトはファンに訴求できるものですが、この時期に放送がはじまった理由はそれだけではありません。
やはり大きかったのは2020年春の視聴率調査リニューアル。個人の視聴データが全国的に調べられるようになったことで、民放各局が多くのスポンサーが求める主に10~40代の視聴者層に向けた番組を作るように一変しました。フジテレビとTBSが2020年から現在にかけてアトラクション型のゲームバラエティを増やしたのは、その要になるファミリー層を狙い撃ちできるからなのです。
特にTBSは2021年春にターゲット層を10歳若返らせた4~49歳を「新ファミリーコア」と名付け、さらなる番組の若返りを実行。ハイペースで放送する『THE鬼タイジ』を成功させたら、新たなアトラクション型のゲームバラエティを投入しそうなムードが漂っています。