この週末、『THE鬼タイジ』(TBS系)、『逃走中』(フジテレビ系)という2つの人気アトラクション型ゲームバラエティが放送される。類似性も指摘されてきた両番組だが、どこが違うのか? そして内容や視聴率ではどちらに軍配が上がるのか? コラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが解説する。
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19日夜にTBSが『THE鬼タイジ』、20日夜にフジテレビが『逃走中』を放送します。
どちらもアトラクション型のゲームバラエティですが、これまで何度もネット上で両番組の類似性が指摘され、「パクリだ」「全然違う」「こっちのほうが面白い」などの論争を巻き起こしてきました。
両番組が同じ週の土日ゴールデンタイムで連日放送されることで、その内容、視聴率、反響などが比べられるのは間違いないでしょう。『THE鬼タイジ』と『逃走中』には、どんな違いがあり、どんな結果や今後が予想されるのでしょうか。
『逃走中』を猛追する『鬼タイジ』
まず『THE鬼タイジ』は、「人間を襲う鬼を特殊な光線銃で打ち倒し、人間に戻す」というシューティングがメインのゲーム形式。「逃げる」より「攻撃する」要素が強く、サバイバルゲームを彷彿させるところがあります。一方の『逃走中』は、ハンターからひたすら逃げ続ける鬼ごっこ。両番組のゲームコンセプトに大きな違いがあることは明らかです。
ただ、『逃走中』は長年放送されているほか、ドッジボールをベースにした攻撃型の『戦闘中』という派生番組もあり、さらに昨年にも逃げるモノノケを捕らえる『モノノケハント』も加わりました。そのため、「アトラクション型のゲームバラエティと言えば、フジテレビの『逃走中』シリーズ」というイメージの視聴者が多いことは確かです。
また、多くの芸能人やアスリートなどを集めて行われること、成果によって多額の賞金が得られること、追い込まれた状況を作って出演者の素顔を引き出そうとしていることなどは、ほぼ同じだけに後発の『THE鬼タイジ』は「パクリ」などと言われやすいところがあります。
驚くべきは、『THE鬼タイジ』が第1弾の2020年12月から今回までの約1年4か月で6回というハイペースで放送されていること。さらに前回は、まさかの大みそかゴールデンタイム放送であり、TBSが看板番組にしようとしている様子が伝わってきます。一方のフジテレビは『逃走中』を18年弱に渡って制作してきたほか、昨年は『逃走中』を4回、『戦闘中』を2回、『モノノケハント』を3回放送することで、あらためて業界トップの制作力を見せました。
TBSは新たな看板番組を定着させたい。フジテレビは先駆者として負けられない。そんな思いが見えながら、これまでは放送日が近づくことはありませんでしたが、実は昨年の大みそかに『THE鬼タイジ』、今年の元日に『逃走中』が連日放送されました。ただ、年をまたいでの連日放送であり、年末年始の特番ラッシュで両番組が比較されることはなく、わかりやすい直接対決となる今回は、ともに十分すぎるほどの意気込みが伝わってきます。