お笑いコンビ・千鳥の躍進が止まらない。『テレビ千鳥』(テレ朝)、『千鳥のクセがすごいネタGP』(フジ)など全キー局でレギュラー番組を持ち、NHKのBS1でも『千鳥のスポーツ立志伝』でMCを務めるなど、彼らを見ない日はないといってよい。3月7日に発表されたフジテレビの番組改編では、5月から新たな冠番組『千鳥の鬼レンチャン』のスタートが発表され、『火曜は全力! 華大さんと千鳥くん』(関西テレビ)を含めこれでフジ系列でのレギュラー番組は3本目となった。
ネット配信の世界でも『チャンスの時間』(ABEMA)、『千鳥のロコスタ』(GYAO!)など人気番組を引っ張り、3月8日からNetflixで配信が始まったドラマ型トークバラエティー『トークサバイバー!』では、ノブがMCを、大悟がドラマの主人公役を務め、配信開始以降国内総合ランキングでトップに立つ(3月17日時点)。
世代と媒体を越えてすっかり世間に定着した千鳥だが、決して順風満帆な芸人人生とは言えなかった。芸能評論家の三杉武氏が語る。
「2012年に上京して以降、チャンスを掴み切れない時期が長かった。当時の人気コント番組『ピカルの定理』の新レギュラーとして抜擢されましたが、ゴールデン帯への移動後視聴率が伸び悩み打ち切りに。志村けんさんをはじめ大御所の先輩に可愛がられるなど芸人からの評価は常に高いものの、どこか東京に馴染みきれず、視聴者受けは微妙でした。
そんな千鳥が万人受けするようになったのは、大悟の荒々しさや自由奔放さはそのままに、ノブがポップなイメージを掴んだのが大きかった。本人が『“お馴染みの顔”になるために迎合作戦に変えて、情報番組にしこたま出ていった』と振り返っていたように、美容やファッションをSNSで発信するなど“ミーハー”を武器にして、若年層の支持を勝ち取りました。『千鳥の真似をして東京の高校生が皆岡山弁でしゃべっている』というのもうなずけます」