桜の便りが届き始めるなか、待ちかねた女子ゴルフトーナメントが幕を切った。絶対女王の牙城を突き崩すのは誰か。どんな若き新星が誕生するのか。何が起こるかわからない“芝のドラマ”は、一瞬たりとも見逃せない。
3月に幕を開けたJLPGAツアー2022は、シーズン序盤から“下剋上”の大混戦となった。開幕戦初日は佐藤心結(18)が2位発進で「史上初のプロデビューV」を期待させたが、「新世紀世代」(2001年度生まれ)で尾崎将司門下生の西郷真央(20)が、最終日に首位の実力者・渡邉彩香(28)を捉え、大逆転で悲願のツアー初優勝を果たした。
2戦連続Vのかかった第2戦はサイ・ペイイン(台湾)に優勝をさらわれたが、「はざま世代」(1999年度生まれ)石井理緒(22)、「黄金世代」(1998年度生まれ)植竹希望(23)、プロ9年目の堀琴音(26)とともに首位と1打差の2位に食い込んだ。
一方、昨季9勝の賞金女王・稲見萌寧(22)、メジャー2勝の原英莉花(23)は優勝争いに顔を出せずにいるが、いずれトーナメントを沸かせてくれるに違いない。賞金総額史上最高43億1600万円をかけ、女神たちの熱い戦いが始まった。今シーズンの注目選手を紹介する。(成績・賞金は昨季のもの)
●渡邉彩香(28)1勝 1億223万3748円(14位)
開幕戦最終日は首位タイでスタートし残り3ホールまでトップの座を守ったが、16番で痛恨のボギー、続く17番もダブルボギーと終盤で崩れて無念の4位に。
●堀琴音(26)1勝 6749万1990円(27位)
13位タイに終わった開幕戦から調子を上げ、ツアー2勝目を狙った第2戦は1打差で2位に入る健闘。3年ぶりに有観客で開催され、ギャラリーから熱い歓声が上がった
●佐久間朱莉(19)0勝 104万7500円(154位)
昨年6月、プロテストでトップ合格した期待の新星。開幕戦は初日に首位と2打差の4位となって会場を沸かせた。師匠は原英莉花、西郷真央と同じジャンボ尾崎。
●佐藤心結(18) 昨年11月にプロテスト4位で合格
今年1月にプロ入りした注目のルーキー。プロデビュー戦となった開幕戦初日は首位と1打差の68で2位発進。最終日にスコアを落とし13位タイで終えたが、鮮烈な初陣を印象付けた
●稲見萌寧(22)9勝 2億5519万2049円(1位)
昨季、史上2番目の若さで賞金女王に輝いた“絶対女王”。シーズン中に苦しんだ腰痛が気になるところで、今季は開幕戦10位タイ、第2戦32位タイと結果は今ひとつ。
●原英莉花(23)3勝 1億2558万7582円(8位)
昨季のメジャー2戦連続優勝は記憶に新しい。今季は開幕戦、第2戦ともに21位タイと本来の力は発揮していないが、師匠のジャンボ尾崎譲りのダイナミックなプレーと女子プロゴルフ界随一の美貌でツアーを盛り上げる