ライフ

国内で感染者数が急増する「梅毒」 口に病変があればキスでも感染

「梅毒」への対処法は?

「梅毒」への対処法は?

 今もその対応に悩まされている新型コロナウイルスだけでなく、人類は感染症とともに生きてゆかねばならない。白鴎大学教授の岡田晴恵氏による週刊ポスト連載『感染るんです』より、国内で感染者数が急増している「梅毒」について、さらに解説する。

 * * *
 感染症対策の岡田晴恵です。今週は性感染症の「梅毒」を取り上げます。

 梅毒は、梅毒トレポネーマという細菌による性感染症で、感染者の皮膚や粘膜と直接接触することで感染します。性風俗と強く関わっていたことから、昔は「花柳病」とも呼ばれ“感染すると廃人になる”と恐れられました。

 このように梅毒は、昔の病気というイメージがありますが、この数年、国内で感染者数が急増。「他人事ではない」要注意の感染症となっています。

 日本人の秦佐八郎博士によるドイツ留学時代(1910年)のサルバルサン開発という歴史に残る偉業や、ペニシリンの抗生物質の発見で、梅毒は適切に治療すれば治る病となり、患者は激減しました。

 しかし、感染者が減ればその病気の怖さも忘れさられます。近年の日本では、感染者が男女問わず、さまざまな世代層で増えています。自分と大切な人を守るためにも、知っておきたい感染症の筆頭格でしょう。

 梅毒は慢性感染症で、早期発見(検査)、早期治療開始がポイントです。抗菌剤で完治しますが、治療を中断したり放置したりすると、脳や心臓に重篤な合併症が起こり、死に至ることもあります。

 また、症状が多彩で、無症状の期間もあるため「治った!」と勘違いする人もいますが、その間も体内で病原体が増え続けるため、この無症候性の感染者からも感染します。本人も感染を気づかず、知らずに感染を拡げやすく、治療が遅れることで重症化や治療の長期化に繋がることもあります。恐ろしい感染症ですね。

関連キーワード

関連記事

トピックス

大谷と真美子さんを支える「絶対的味方」の存在とは
《ドッグフードビジネスを展開していた》大谷翔平のファミリー財団に“協力するはずだった人物”…真美子さんとも仲良く観戦の過去、現在は“動向がわからない”
NEWSポストセブン
山上徹也被告(共同通信社)
「金の無心をする時にのみ連絡」「断ると腕にしがみついて…」山上徹也被告の妹が証言した“母へのリアルな感情”と“家庭への絶望”【安倍元首相銃撃事件・公判】
NEWSポストセブン
被害者の女性と”関係のもつれ”があったのか...
《赤坂ライブハウス殺人未遂》「長男としてのプレッシャーもあったのかも」陸上自衛官・大津陽一郎容疑者の “恵まれた生育環境”、不倫が信じられない「家族仲のよさ」
NEWSポストセブン
悠仁さま(2025年11月日、写真/JMPA)
《初めての離島でのご公務》悠仁さま、デフリンピック観戦で紀子さまと伊豆大島へ 「大丈夫!勝つ!」とオリエンテーリングの選手を手話で応援 
女性セブン
11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(読者提供)
《足立暴走男の母親が涙の謝罪》「医師から運転を止められていた」母が語った“事件の背景\\\"とは
NEWSポストセブン
大谷翔平が次のWBC出場へ 真美子さんの帰国は実現するのか(左・時事通信フォト)
《大谷翔平選手交えたLINEグループでやりとりも》真美子さん、産後対面できていないラガーマン兄は九州に…日本帰国のタイミングは
NEWSポストセブン
高市早苗首相(時事通信フォト)
《日中外交で露呈》安倍元首相にあって高市首相になかったもの…親中派不在で盛り上がる自民党内「支持率はもっと上がる」
NEWSポストセブン
11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(現場写真/読者提供)
【“分厚い黒ジャケット男” の映像入手】「AED持ってきて!」2人死亡・足立暴走男が犯行直前に見せた“奇妙な”行動
NEWSポストセブン
高市早苗首相の「台湾有事」発言以降、日中関係の悪化が止まらない(時事通信フォト)
「現地の中国人たちは冷めて見ている人がほとんど」日中関係に緊張高まるも…日本人駐在員が明かしたリアルな反応
NEWSポストセブン
10月22日、殺人未遂の疑いで東京都練馬区の国家公務員・大津陽一郎容疑者(43)が逮捕された(時事通信フォト/共同通信)
《赤坂ライブハウス刺傷》「2~3日帰らないときもあったみたいだけど…」家族思いの妻子もち自衛官がなぜ”待ち伏せ犯行”…、親族が語る容疑者の人物像とは
NEWSポストセブン
ミセス・若井(左、Xより)との“通い愛”を報じられたNiziUのNINA(右、Instagramより)
《ミセス若井と“通い愛”》「嫌なことや、聞きたくないことも入ってきた」NiziU・NINAが涙ながらに吐露した“苦悩”、前向きに披露した「きっかけになったギター演奏」
NEWSポストセブン
「ラオ・シルク・レジデンス」を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
「華やかさと品の良さが絶妙」愛子さま、淡いラベンダーのワンピにピンクのボレロでフェミニンなコーデ
NEWSポストセブン