名門一家の家系図は祖父母から親子、孫へと枝分かれして1つの荘厳な大樹を形作る。芸術家や文化人、俳優などが連なる世界的指揮者・小澤征爾氏(86才)のファミリーツリーは圧巻だ。闘病と介護、相続問題を巡って分裂の兆しが見える家族の現状に、沈黙するマエストロは何を思うのか──。
ライダースジャケットを颯爽と着こなす夫と、ロングコートを風になびかせる妻。足元を黒いコンバースで揃えたスタイリッシュなふたりに、すれ違う人もつい視線を奪われてしまう。3月中旬の夕刻、都内の繁華街を並んで歩いていたのは、俳優の小澤征悦(47才)とNHKの桑子真帆アナウンサー(34才)。昨年9月に結婚したふたりは、ここからほど近いビンテージマンションで暮らす。
征悦のエスコートでイギリスの超高級車に乗り込んだ桑子アナは、朝のニュースでは決して見せることのない柔和な笑顔で夫を見つめた。
征悦の父は、言わずと知れた世界的指揮者の小澤征爾氏。ウィーン国立歌劇場音楽監督を8年間務め、「世界のオザワ」として親しまれる、オーケストラ界のレジェンドだ。妻のベラさん(77才)は日露ハーフで、モデル出身のファッションデザイナー。さらに小澤家の親族には、著名なピアニストや学者など錚々たる顔ぶれが連なる。
「長女の征良さん(50才)は、大江健三郎や村上春樹とも交流があるエッセイストで翻訳家。人気ミュージシャンの小沢健二は征爾さんの兄の息子で、征悦さんの従兄にあたります」(芸能記者)
晴れて「世界のオザワ」ファミリーの一員に加わった桑子アナ。だが、華麗なる一族はいま、高齢の征爾氏の体調面や後継問題を巡って、家族が分裂しかねない深刻な危機に直面している。小澤家の知人が嘆息する。
「静養する征爾さんのベッドを挟んで、征悦さんとベラさん、征良さんが激しい口論をすることもあったといいます。征爾さんはそれをただ、黙って聞いているだけだったと……。あれでは体が休まらないし、よくなるものもよくならない。征爾さんの病状が伏せられ続けていることにも、周囲は不安を覚えています」