国内

岡田晴恵氏、第6波乗り越えるため「大規模療養施設」の必要性を提言

3月21日の渋谷、街には多くの人が(写真/共同通信社)

3月21日の渋谷、街には多くの人が(写真/共同通信社)

 今年1月から実施され、最大36都道府県に及んだ新型コロナの「まん延防止等重点措置」が3月21日をもってすべて解除された。「もう大丈夫」という空気が漂うなかで、“コロナの女王”岡田晴恵・白鴎大学教授からの緊急提言が──。

「まん防」解除とともに、すっかり新型コロナの自粛生活が終わるような期待感が漂っている。しかし、テレビなどで新型コロナの解説を続ける岡田晴恵氏は、「第6波は、終わっていません」と警鐘を鳴らす。

 奇しくも職場や学校などは年度替わりを迎えるタイミングだ。季節柄、花見などの行楽も盛んになり、人の動きが活性化する。だからこそ、岡田氏は第6波を乗り越えるためには「3つの柱」が必要だと提言する。

PCR検査を1日100万件に

 第1に挙げるのは、PCR検査の拡大と十分な抗原検査キットの確保だ。

「検査をしない“みなし陽性”や、医療機関を受診しない“自主療養”というものが認められた状況を思い出してください。医療機関にもかかれない、検査できず診断がつかなければ抗ウイルス薬も開始できない。それらを回避するためにもPCR検査1日100万件の体制を構築するべきです。

 現在、検査能力はおよそ40万件、実際に検査している数はそれ以下です。全国の感染者数が初めて10万人を超えた2月5日も、PCR検査数は19万件でした。そうして陽性率が40%を超えることもありましたが、本来検査の陽性率は5%以下に抑えるべきものです。6%を超えると、その国での死亡者、健康被害を受ける人の数が上がると報告されています。

 また、検査にすぐにアクセスできるようにすることで、陰性の人であれば積極的に経済を回すことができる。社会機能活動ができるようにするためにも、PCR検査を社会インフラとして、1日100万件規模でやれる体制作りが急務です」(以下「」内はすべて岡田氏)

 PCR検査と並行して、「抗原検査キット」の拡充も重要だという。

「感度の面では劣りますが、PCR検査よりも簡便ですぐに検査結果が出るため、感染拡大しやすく重症者リスクが高い高齢者施設などで働く介護士さんたちなどが抗原検査キットを潤沢に利用できるように配備することが大事です。

 本来なら感染者数が落ち着いていた時期に製造・確保しておくべきでしたが、今年に入ってからも抗原検査キットが不足する事態になりました。使用期限があるものですが、余ったら国が買い取るという姿勢で業者に委託して、十二分に確保しておくべきです」

関連記事

トピックス

同僚に薬物を持ったとして元琉球放送アナウンサーの大坪彩織被告が逮捕された(時事通信フォト/HPより(現在は削除済み)
同僚アナに薬を盛った沖縄の大坪彩織元アナ(24)の“執念深い犯行” 地元メディア関係者が「“ちむひじるぅ(冷たい)”なん じゃないか」と呟いたワケ《傷害罪で起訴》
NEWSポストセブン
電動キックボードの違反を取り締まる警察官(時事通信フォト)
《電動キックボード普及でルール違反が横行》都内の路線バス運転手が”加害者となる恐怖”を告白「渋滞をすり抜け、”バスに当て逃げ”なんて日常的に起きている」
NEWSポストセブン
入場するとすぐに大屋根リングが(時事通信フォト)
興味がない自分が「万博に行ってきた!」という話にどう反応するか
NEWSポストセブン
過去の大谷翔平のバッティングデータを分析(時事通信フォト)
《ホームランは出ているけど…》大谷翔平のバッティングデータから浮かび上がる不安要素 「打球速度の減速」は“長尺バット”の影響か
週刊ポスト
16日の早朝に処分保留で釈放された広末涼子
《逮捕に感謝の声も出る》広末涼子は看護師に“蹴り”などの暴力 いま医療現場で増えている「ペイハラ」の深刻実態「酒飲んで大暴れ」「治療費踏み倒し」も
NEWSポストセブン
初めて沖縄を訪問される愛子さま(2025年3月、神奈川・横浜市。撮影/JMPA)
【愛子さま、6月に初めての沖縄訪問】両陛下と宿泊を伴う公務での地方訪問は初 上皇ご夫妻が大事にされた“沖縄へ寄り添う姿勢”を令和に継承 
女性セブン
中村七之助の熱愛が発覚
《結婚願望ナシの中村七之助がゴールイン》ナンバーワン元芸妓との入籍を決断した背景に“実母の終活”
NEWSポストセブン
松永拓也さん、真菜さん、莉子ちゃん。家族3人が笑顔で過ごしていた日々は戻らない。
【七回忌インタビュー】池袋暴走事故遺族・松永拓也さん。「3人で住んでいた部屋を改装し一歩ずつ」事故から6年経った現在地
NEWSポストセブン
大阪・関西万博で天皇皇后両陛下を出迎えた女優の藤原紀香(2025年4月、大阪府・大阪市。撮影/JMPA)
《天皇皇后両陛下を出迎え》藤原紀香、万博での白ワイドパンツ&着物スタイルで見せた「梨園の妻」としての凜とした姿 
NEWSポストセブン
“極度の肥満”であるマイケル・タンジ死刑囚のが執行された(米フロリダ州矯正局HPより)
《肥満を理由に死刑執行停止を要求》「骨付き豚肉、ベーコン、アイス…」ついに執行されたマイケル・タンジ死刑囚の“最期の晩餐”と“今際のことば”【米国で進む執行】
NEWSポストセブン
何が彼女を変えてしまったのか(Getty Images)
【広末涼子の歯車を狂わせた“芸能界の欲”】心身ともに疲弊した早大進学騒動、本来の自分ではなかった優等生イメージ、26年連れ添った事務所との別れ…広末ひとりの問題だったのか
週刊ポスト
2023年1月に放送スタートした「ぽかぽか」(オフィシャルサイトより)
フジテレビ『ぽかぽか』人気アイドルの大阪万博ライブが「開催中止」 番組で毎日特集していたのに…“まさか”の事態に現場はショック
NEWSポストセブン