「ロシア帝国の復活」を目論んでウクライナ侵攻に踏み切ったロシアのプーチン大統領。様々な角度からその精神構造の分析が進められているが、同氏が愛し、重用してきた女性たちからも、その人物像の一端が浮かび上がってくる。
「世界で最も美しく有能なのはロシアの女性だ」
2008年4月、イタリアを訪れたプーチン氏は、愛人と目されるアテネ五輪金メダリストの元新体操選手アリーナ・カバエワ氏(38)との再婚報道について問われ、そう話を切り出した。そして噂を否定した上で外国人記者にこう凄んでみせた。
「人々には公人の私生活を知る権利があるが、ものには限度がある。性的妄想に駆られて、他人の私生活に薄汚れた鼻面を突っ込んで嗅ぎ回る連中を、私は常に軽蔑する」――プライベートを公にすることを極端に嫌うプーチン氏の女性問題は、長く取り扱うのがタブーとされてきた。
「大統領を取り巻く女性たちの中で、“トップシークレット”なのが、元妻リュドミラ氏(64)との間にもうけた2人の娘に関する情報です」
そう語るのは、ロシア政治が専門の中村逸郎・筑波大学教授だ。
長女のマリア氏(36)は1985年生まれで、医学部を卒業後にオランダ人の実業家と結婚したとされる。1歳年下の次女のカテリーナ氏(35)は日本通で、過去に何度か偽名で来日しているという。
「ただし、2人の実像はよく分かっていません。2020年にモスクワで元大統領補佐官のユーリ・バトゥーリン氏に尋ねたのですが、プーチン氏のプライベートは政権の中枢にいても分からないそうです」(中村氏)
プーチン氏は、「娘の写真を公表した者は刑事罰に問え」と命じているという。
愛人と囁かれる女性も少なくない。最も有名なのが、前述のカバエワ氏。タタール系のエキゾチックな顔立ちで、冒頭のイタリア訪問時にプーチン氏は「確かにカバエワのような女性を私は好きだ」と語っている。
カバエワ氏と同じタタール系で、平昌五輪フィギュアスケート女子シングル金メダリストのアリーナ・ザギトワ氏(19)も誕生日に大統領自ら祝電を送るなど、「お気に入り」とされる。