ウクライナ侵攻で世界の注目が集まるロシアのプーチン大統領。様々な角度からその精神構造の分析が進められているが、同氏が重用してきた女性たちからも、その人物像の一端が浮かび上がってくる。
政界には、プーチン氏を支える女性たちの存在がある。ロシア政治が専門の中村逸郎・筑波大学教授が言う。
「美女を重用し、彼女たちがロシアやプーチン氏の対外的なイメージ戦略を担ってきました」
その筆頭は、元クリミア自治共和国検事総長のナタリア・ポクロンスカヤ氏(42)だ。2014年のロシアによるクリミア編入時の記者会見は全世界に配信され、「美しすぎる検事総長」として時の人となった。
「日本でも大人気で、彼女を描いた美少女アニメ風のイラストが話題になりました。その美貌をプーチン氏が利用した側面はあるでしょう」(中村氏)
ただし、ウクライナ侵攻についてポクロンスカヤ氏は、「私たちは親戚。武器を持ってはいけない」とSNSで平和的解決を訴えている。
対照的に「我々は平和を守り、悪と戦う国であり、国民だ」「空爆はウクライナ政府側が我々のせいにしている」などとプーチン氏擁護を繰り返すのは、ロシア外務省初の女性報道官であるマリア・ザハロワ氏(46)だ。
昨年5月、ソチで行なわれたASEAN首脳会議の夕食会でロシアの民族舞踊「カリンカ」を披露し、「踊る美人報道官」として名を馳せた。
そんなソフトイメージを一変させたのが、今回のウクライナ侵攻だ。
「ザハロワ氏は舌鋒鋭く西側諸国を批判し、ロシアの言い訳ともとれる後付け的な発言をガンガン繰り返しています。プーチン氏以上に言葉が激しく、ロシアの一方的な主張を強く発している。さすがに今回は機能していないとはいえ、女性で、しかも美人なら主張が受け入れられやすいというプーチン氏の計算があるとみられます」(中村氏)
※週刊ポスト2022年4月8・15日号