ウクライナに軍事侵攻したロシアのプーチン大統領。その“強い指導者”のイメージ作りを支えてきたのは、大統領お抱えの写真家ヤナ・ラピコワ氏だ。ロシア政治が専門の中村逸郎・筑波大学教授が語る。
「プーチン氏の報道用写真を一手に担っている美人写真家です。船上で筋骨隆々の上半身を晒して釣りをする有名な写真は、彼女が撮影したものと言われています。自分の裸の写真を撮らせることからも、信頼の厚さが読み取れます」
海外メディアの報道によると、「大統領の裸番」ともいえるラピコワ氏は、ミス・モスクワコンテストへの出場経験がある元モデル。プーチン氏の外交先などで幾度となく目撃され、「美人のプライベートカメラマン」として話題に上ってきた。
3月15日、ロシア国営放送の生放送中に戦争反対を訴えた女性が注目されたが、ロシアのジャーナリストにはプーチン支持派が目立つという。
「ロシアで有名なテレビ司会者のティナ・カンデラキ氏(46)は理知的な印象の美女ですが、クリミア併合やウクライナ侵攻への支持を表明しています」(中村氏)
愛人と目されるアテネ五輪金メダリストの元新体操選手アリーナ・カバエワ氏は現役引退後に政界へ進出。その後、ロシアのメディアを統括する「国家報道グループ」の総帥にまで上り詰めた。
「彼女の異例の大抜擢の裏には、大統領の強い意向があったとされます。国家報道グループの総帥は、外国へ情報を発信するスポークスマンの役割も担う。あえて愛人とされるカバエワ氏を置くことで、その言動に注目を集めて、ロシアの国際的な影響力を高めようとの狙いがあったとも取れます」(中村氏)
重用する裏に、プーチン氏の打算があったとする見方だ。
※週刊ポスト2022年4月8・15日号