黒酢に次いで票を集めた2位の「バルサミコ酢」は、ぶどうを原料にした果実酢の一種。
管理栄養士の磯村優貴恵さんはドレッシングとして食卓に取り入れることを推奨する。
「ぶどう果汁を樽で長期熟成させて造られ、強力な抗酸化作用を持つポリフェノールが多く含まれます。紫外線が強くなり、肌に大きな負担がかかるこれからの季節、特に積極的に使ってほしい。熟成期間が長いほど、豊かな香りとまろやかな風味が生まれるため、オリーブオイルと合わせてドレッシング代わりに使うのがいい。ただし、安価なものは着色料で色付けされていたりするため、注意が必要です」
同じくぶどうが原料の「赤ワインビネガー」も7位にランクイン。薬食フードライフ研究家の沢木みずほさんが解説する。
「バルサミコ酢との違いは、しぼったぶどうの汁でまずワインを造り、それから酢酸菌を加えて発酵させるところ。果皮ごと使って造られる赤ワインはアントシアニンが豊富で、血管強化や動脈硬化予防にも有効です」
生活習慣病を防ぐ柿のチカラ
ランキングを見渡すと、バルサミコ酢のほかにも「りんご酢」や「梅酢」をはじめとした果実酢の存在が目に入る。
秋葉原駅クリニック医師の佐々木欧さんはその中から自分に合ったものを選び、取り入れることを提案する。
「果実酢は原料の果物によって風味がさまざまですが、健康効果は同様に高い。大さじ1杯を水で薄めたものを、1日1〜2回飲むのがおすすめです。いろいろな果実酢で試してみて、おいしいと感じられるものを選んでみてほしい。私は、果汁が配合されているタイプの果実酢を炭酸水で割ったものをよく飲んでいます」
沢木さんは生活習慣病予防の観点から、「柿酢」を推奨する。
「ほかの果実酢のように酢に果物を漬け込むのではなく、柿そのものをつぶして糖分を酢に変化させて造る、日本独特の発酵酢です。柿の栄養素がそのまま濃縮されているため、高血圧予防に働くカリウムやコレステロール減少に有効なフラボノイド、血管損傷を防ぐアセトアルデヒドなど生活習慣病を予防できる成分が豊富に含まれます」(沢木さん)