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加藤諦三さん 「不安」に真正面から向き合った新著についてインタビュー

加藤

『不安をしずめる心理学』著者の加藤諦三さん

加藤諦三さん/『不安をしずめる心理学』/ PHP新書/990円

【本の内容】
《「不安な時は人生の岐路」と捉えてほしいのです。現代の消費社会、競争社会において、潰れてしまうのか、それとも本当に強い人間になって、最後まできちんと生きられるのか、という岐路に立たされているのです。生きることは問題を解決することなのです》と本書で綴る加藤さんが《人生最大の問題》という「不安」と真っ正面から向き合い、方策を説く目から鱗の一冊。

不安と不幸の選択肢で人が不幸を選ぶのはなぜか

 コロナ禍になる前、講演の機会が多かった加藤さんは、集まった聴衆に「幸せになりたい人」と挙手してもらっていたそうだ。

「ほぼ全員が手を挙げますよ。幸せになんて、いくらでもなれるんです。じゃあ、なぜみんなが幸せになれないかというと、幸せになりたい欲求より、はるかに不安のほうが強い感情だからです。アルコール依存症で働きもせず暴力をふるう夫と別れない人がいるのも、不安と不幸の選択では、人間は不幸を選ぶものだからです」

 不安よりも不幸を選択する、というのはちょっと衝撃だが、それほどに、不安は人間の行動を決めてしまう、強烈で根源的な感情だと、心理学者として人間の感情を研究してきた加藤さんは言う。

 私たちが生きているのは、ただでさえ不安を感じることの多い消費社会、競争社会だ。さらに2022年のいま、疫病、戦争、天災と先行きが見えない予想外の事態が立て続けに出来して、本書の『不安をしずめる心理学』というテーマは、時代にぴったり合っていると感じられる。

「不安というのは普遍的な問題ですし、本の企画そのものはコロナ禍の前から進んでいて、コロナでみんな不安だから出したわけではありません。ただ、このコロナ禍で、不安感は一層強くなっていますから、読者は時代の空気にすごく合っていると感じるかもしれないですね」

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