芸能

林家木久扇×毒蝮三太夫対談「今日は“談志被害者の集い”でもある」

林家木久扇と旧知の毒蝮三太夫が対談

林家木久扇と旧知の毒蝮三太夫が対談

“おバカキャラ”で『笑点』の大喜利コーナーを沸かせる落語家・林家木久扇(84)。「バカになるほど愛される」という人生の本質を見つけた木久扇が、その生き方をまとめたエッセイ『バカのすすめ』(ダイヤモンド社)を3月に上梓した。それを記念し、木久扇の「バカの魅力」を知る旧知の俳優でタレントの毒蝮三太夫(85)との対談が実現。偉大なるバカの先達から人生が楽になる秘訣まで、存分に語り合った。【全3回の第1回】

 * * *
木久扇:ご無沙汰してます。お元気そうで。

毒蝮:お互いに、生きてるうちにまた会えてよかったよ。去年の5月に足を折ったって聞いたけど。

木久扇:だいぶよくなりましたけど、『笑点』の大喜利や高座は、まだ椅子でやらせてもらってます。正座も、15分ぐらいはできるんですけどね。

毒蝮:無理しなくていいよ。『笑点』も見たけど、座布団が7~8枚積んであるから、椅子に座ってるのが目立たないね。

木久扇:うまく隠れてるんです。だから、座布団を減らすわけにいかない。高座も椅子で出てますが、お客さんはあたたかく許してくれるんです。「大腿骨を折ったんですよ。“だいたい”このへんなんですけどね」なんて言うとウケるし。

毒蝮:それでいいんだよ。とくに高齢者になると、つい強がって元気なフリをしたくなるけど、見てる人に痛々しさを感じさせたら何にもならない。弱みもそのまま見せたほうが、見るほうだって楽な気持ちで見られる。木久ちゃんは、椅子に座る姿で高齢者のあり方を教えてくれてるね。

木久扇:そんなたいそうなことは考えてないんですが。ただ、噺家の中には「正座ができないなら高座には上がらない」とおっしゃる方もいるでしょうね。“弱み”を抵抗なく見せられるのは、長年ずっと「おバカキャラ」をやってきたぼくの強みかもしれません。

毒蝮:今日は「談志被害者の集い」でもある。俺たちはふたりとも、立川談志のせいで人生を大きく変えられた。

木久扇:まったくですね。とんでもない方でしたよ。どれだけ感謝しても感謝しきれません。

毒蝮:俺は「石井伊吉」という本名で役者をやってて、『ウルトラマン』や『ウルトラセブン』に出てたのに、あいつに言われて『笑点』で座布団を運ぶことになった。「毒蝮三太夫」なんて名前を名乗ることになったのも、そのせいだ。

木久扇:ぼくも前座の頃から談志さんにかわいがってもらいました。『笑点』に引っ張ってくださったのも談志さん。大喜利メンバーになったのは、談志さんが選挙に出るからと司会を降りた次の週からでした。その時、「木久蔵は与太郎でやってみな」とアドバイスされたんです。

毒蝮:「与太郎」と言えば、落語の世界ではバカの代名詞だ。

関連記事

トピックス

巨人入団が決まった田中将大(時事通信)
巨人入りの田中将大は200勝達成できるか 平松政次氏「10勝できる」江本孟紀氏「申し訳ないけど3つ勝つのも大変」【2025年のプロ野球界を占う】
週刊ポスト
一生に一度の思い出の晴れ着になるはずだった(写真提供/イメージマート)
《「二十歳の集い」晴れ着トラブル》各地で発生していたヤンキー衣装を巡るトラブル「サイズが合わないピンク色の袴を強制」「刺繍入り特攻服を作らされた」
NEWSポストセブン
現在
《3児の母親となった小森純》「社会に触れていたい」専業主婦から経営者を選んだ意外な理由、タレント復帰説には「テレビは簡単に出られる世界じゃない」
NEWSポストセブン
サプライズでパフォーマンスを披露した松本(左)と稲葉(「NHK紅白歌合戦」の公式Xより)
B\'z紅白初登場「7分54秒の奇跡」が起きるまでの舞台裏 「朝ドラ主題歌以外は好きな曲で」のオファーに“より多くの人が楽しめるように”と2人が選曲
女性セブン
女性との間に重大トラブルを起こしていたことが判明した中居正広
《スクープ続報》中居正広、深刻女性トラブルの余波 テレビ局が収録中止・新規オファー取りやめ、『だれかtoなかい』の代役にはSMAPメンバーが浮上
女性セブン
俳優
《第1子男児誕生の仁科克基》「僕は無精子症でした…」明かした男性不妊の苦悩、“心も体も痛い”夫婦で乗り越えた「妊娠18カ月生活」
NEWSポストセブン
「海老名きょうだい3人死亡事件」の犯行現場となった一家の自宅
《海老名きょうだい3人死亡事件》子煩悩だった母が逮捕 残された父が重い口を開いた「妻は追い詰められたんだと思います」「助けられなかった」…後悔の念
女性セブン
読者モデルとして
《薄メイクになった小森純が振り返る平成ギャル》読者モデル時代は「撮影中に彼氏と編集長が大ゲンカ」、妊娠を機に巻き髪はストレートに「カラコン入れると目が乾燥して」の現在
NEWSポストセブン
司組長も笑顔を見せた餅つきに密着した
《六代目山口組のハイブランド餅つき》「司だ、司!」警察が色めき立った瞬間 愛用率50%!直参組長らから支持される「冬のハイブランド」
NEWSポストセブン
小型の犬種は人気だが……(写真提供/イメージマート)
《クリスマス・イヴ翌日も…》プレゼント購入されたペットを「返品」する人たち 「彼女と別れたから」「サプライズプレゼントが気に入らないと言われた」
NEWSポストセブン
相模湖ふれあいパーク内で無許可で撮影が行われていた(FANZAより)
《公園で勝手にセクシービデオ撮影》行政は「許可は出していない」「警察に相談した」 外であられもない姿に…メーカーが緊急対応
NEWSポストセブン
歌舞伎町のシンボルの一つにもなっているバッティングセンター。
「日本一土地代が高い」新宿・歌舞伎町のバッティングセンターはなぜ潰れないのか? 店が語った驚異の「1日の来場者数」と営業理念
NEWSポストセブン