BIGBOSSとして日本ハムを率いる新庄剛志監督だが、開幕ダッシュに失敗してチームは低迷、「シーズン100敗」の可能性まで指摘されるようになった。
その新庄氏の現役時代に、練習への遅刻を咎めて正座させるなど、厳しい指導で“鬼平”の異名を取った元阪神監督・藤田平氏は、「100敗までするかはわからんが、戦力が足りないから順位は最下位やろうね」と話す。
「若い選手が多いだけに、乗ってきたら突っ走るかもしれんが、ひとつ歯車が狂うと泥沼にはまる。正直、読めまへんわ。今のところ新庄はうまく若手を乗せてやっているが、シーズンは長い。やっぱり理解しがたいのは投手陣の使い方。このままではへばってしまわへんかな。しかも正捕手も固定されていない。選手はコンディション作りも大変やと思いますわ」
独特な采配についても、厳しい見方を取る。
「セオリーを無視して負け続ければ批判は出てくる。たしかに予想外のことをやれば目立つが、勝たないといけないのがこの世界。4月3日のオリックス戦で同点の8回裏、1死二、三塁の場面で吉田正尚を3ボールから歩かせず勝負して、守備のミスもあって決勝点を取られた。ああいうことが積み重なった時がどうなるかやね。ただ、球団が1年目はこんなもんやと納得するなら、何敗してもええということになるんやろね」(藤田氏)
プロは勝ちを求められて当然だが、それを求められないなら「100敗」さえあり得るという話になってくるのだろうか。
辛口評論で知られる江本孟紀氏は、「日本ハムの順位予想はもちろん最下位ですよ。他に沈むチームが見当たりませんからね」としたうえで、こんな言い方をする。
「新庄は戦力的に弱いことがわかっているから、とにかくかき回そうとしている。それに評論家が100敗するとか、しないとかは屁みたいな話ですよ。他の5球団の監督が新庄にまともにやれとビシッとモノを言えばいい。それを言うと新庄に噛みつかれ、かき回されるかもしれないから、口を開こうとしない。それが問題です。誰かとケンカして盛り上げるくらいじゃないと、新庄がいる意味がないでしょう」
100敗論争が盛り上がることこそが、むしろ新庄監督の望むところなのかもしれない。
※週刊ポスト2022年4月22日号