シルバーのドレスに身を包んだ松田聖子(60)は、2曲目の「SWEET MEMORIES」を歌い終えると涙をこらえるように上を向いた。そして観客の方を向くと、声を詰まらせながら語り始めたという。
〈私の娘は去年12月18日に天国へ旅立ちました。あまりの突然のことで現実を受け止めることがとても難しく、今でも正直信じられない気持ちでおります〉
4月9日、松田聖子が東京・港区のグランドプリンスホテル新高輪でプレミアムディナーショーを開催し歌手活動を再開した。同ホテルでは昨年末も12月15日~16日、18日~19日の日程で聖子が大切にしている毎年恒例のクリスマスディナーショーが行われる予定だった。しかし12月18日、愛娘の神田沙也加さんが35歳の若さで急逝してしまう。ショーの終了後にそのことを知らされた聖子は12月19日のショーを急遽中止し、続く大阪でのショーもキャンセル。出場が決まっていたNHK紅白歌合戦も辞退するなど芸能活動を休止していた。4月9日のディナーショーは中止となったショーの振り替えとして開催されたものだ。
長年松田聖子を応援し、昨年の悲劇に聖子と同じように心を痛めたファンにとっても、この日の公演は特別なものだった。
「あのような不幸があって時が止まっていました。私は昨年12月18日のディナーショーにも行ったのですが、翌朝に沙也加ちゃんのニュースを知り、頭が真っ白になりました。私も、聖子ちゃんと一緒に動き出します」(ショーに来ていたファン)
夫婦で来ていた別のファンは、ショー終了後にこう語っていた。
「今日は絶対見守らないと、という気持ちで来ました。明日10日もショーはありますが、正直明日ではなく今日じゃないと来る意味がないくらいに思って」
17時から19時までたっぷり2時間、グランドプリンスホテル新高輪の総料理長が手掛けるコース料理が国際館パミールで振る舞われたあと、聖子が登場するショーは会場を大宴会場・飛天に移して行われた。