中国南部の広西チワン族自治区で起きた中国東方航空機(ボーイング737-800型)の墜落事故で、米国家運輸安全委員会(NTSB)が派遣した調査団7人が今月初旬、中国入りし、中国側と合同で機体の設計・製造面など技術的な調査などを行い、墜落原因の究明にあたることになった。
また、事故現場から回収されたボイスレコーダーは損傷が激しいため米国に運ばれ、NTSBが操縦室内の録音データ解析にあたっており、事件と事故の両面から調査に当たるという。ロイター通信などが報じた。
同機は現地時間3月21日、同自治区梧州の山岳地帯に墜落。中国の航空当局CAAC(中国民用航空局)によると、乗客123人と乗員9人の計132人全員の死亡が確認された。
同機は雲南省の昆明を現地時間午後1時11分ごろ出発。広東省の広州に午後3時5分ごろ到着予定だったが、午後2時19分ごろに梧州で高度2万9100フィート(約8870メートル)の高高度からほぼ垂直に墜落した。これは、墜落の模様を収めた映像からも確認されている。
同機のような高高度を飛行中に何らかのトラブルを起こし、最終的にほぼ「垂直落下」するというのは極めて異例だという。
米ブルームバーグ通信は航空安全コンサルタントで元737操縦士のジョン・コックス氏のコメントとして、「奇妙だ。機体はそうなりにくい」と報じている。
また、米運輸安全委員会(NTSB)の元調査官で同型機の操縦経験のあるベンジャミン・バーマン氏は「墜落原因について結論を出すのは時期尚早だ」としつつも、ある種の操縦士のミスのほか、幾つかの原因が重なったケースなど、多くのシナリオが考えられると語っている。
今回の事故のように、高高度を飛行中の民間航空機が突然墜落するケースでは、過去には爆弾テロや撃墜、機体の欠陥・修理ミス、パイロットの誤操縦・自殺などの例があるという。
そこで注目されるのは同機の墜落と、2014年3月1日夜に雲南省昆明市の駅で起きたテロ事件との関連だ。事件の起きた昆明市は、墜落した同機の出発地点でもある。