4月9日、都内のホテルで開催されたディナーショーで、松田聖子(60才)は、声を震わせながら、かみしめるように言葉を紡いだ。愛娘の神田沙也加さん(享年35)が昨年末に急逝し、活動を休止していた聖子にとって、4か月ぶりとなる活動再開の場だ。ショーでは、紅白で母娘共演を果たした際にデュエットした思い出の曲『上を向いて歩こう』も歌ったが、途中では手で口を覆い、嗚咽を漏らす場面もあった。
沙也加さんの四十九日の法要がしめやかに執り行われたのは、1月30日。遺影には、ステージ衣装をまとった沙也加さんが、いまにも歌い出しそうに両手を広げ、微笑みを浮かべているものが選ばれた。
「この遺影を選んだときから、聖子さんはディナーショーでの沙也加さんとの“共演”を決めていたそうです。遺影の姿は、まさに聖子さんが一緒に歌いたい愛娘の姿だったんです」(聖子の知人)
思い返せば、ここ2年間、聖子はあらゆる苦難に見舞われてきた。
「2020年は、聖子さんにとってデビュー40周年のメモリアルイヤーでした。そのため、全国を回る大規模なツアーを企画していたが、コロナの影響で延期に。会場のキャンセル費用などの損失は5億円にものぼるそうです。加えて、東京・表参道にあった自身の公式ショップも閉店してしまいました」(芸能関係者)
やっとの思いで開催にこぎつけた昨年末のディナーショーは、沙也加さんの逝去に伴い、延期になってしまった。
「だからこそ、なんとしてでも、中止になった分を取り戻さなければならないという事情もあったんです」(前出・芸能関係者)
昨年末のショーと今回のショー、両方に参加した別のファンは、そんな懐事情を垣間見たという。
「曲に合わせて観客が振るためのうちわのようなグッズがあるのですが、今回売られていたものは、昨年のディナーショーと同じ“季節外れ”のクリスマス仕様でした。アンコール曲についても、昨年末と同じ『Pearl-White Eve』。クリスマスの歌です。
あまりにクリスマス仕様ばかりだったので、聖子ちゃんも気まずかったんでしょうね。『春のディナーショーなので、春の曲をと思ったんですけど、やっぱりこの曲は外せなくて、ごめんなさい』なんて言っていました」