「棋士は1局を終えると2~3kgは体重が落ちる」といわれるほど、将棋の対局では脳が大量の糖分を必要とするという。そんな対局時の10時と3時に食べる“おやつ”は毎回話題になり、藤井聡太竜王が食べたものに至っては、いまや即完売が当たり前。そこで、将棋界の四天王たちがこれまで食べてきた気になるスイーツを総チェック!
藤井聡太竜王 (19才)
愛知県瀬戸市出身。2016年に史上最年少(14才2か月)でプロ入り後、公式戦29連勝(最多連勝記録)し、その後も最年少記録を塗り替える。攻守ともに長け、相手のミスを誘う絶妙な指し回しで終盤に強く、逆転勝ちも多い。
【第6期 叡王戦 第4・5局(2021年8月22日/愛知・名古屋東急ホテル、9月13日/東京・将棋会館)対 豊島将之叡王】
段位別予選と本戦トーナメントを勝ち抜いた藤井王位・棋聖が、防衛のかかった豊島叡王に3勝2敗とし叡王を獲得、19才1か月で最年少三冠を達成。(※棋士の称号は対局当時のものです)
『プレミアムミルキーバターサンド』
サクサクのクッキー生地に、北海道産バター、練乳、生クリームを使用したコクのあるミルキーバタークリームをサンド。プレーンほか全5種類。各216円~。西洋菓子舗 不二家限定商品。
『コロコロしばちゃん』
ビジュアルは超スイートながら、甘すぎないすっきりとした口どけのキャラメルクリームとスポンジで仕上げた柴犬のカップケーキ。全国の不二家にて販売中。410円
『プレミアム生ミルキー』
北海道の広大な自然で育った乳牛の練乳と生クリームを使用。濃厚なコクが特長。プレーンほか全3種類。8粒入り各540円~。西洋菓子舗 不二家限定商品。
名勝負にこの美味ありと名人たちが太鼓判
【第34期 竜王戦 第2局 1日目・午後(2021年10月22日/京都・総本山仁和寺)対 豊島将之竜王】
豊島竜王の手を藤井二冠が逆用した見事な指し回しで竜王を破り、開幕2連勝を飾る。
ホテルオークラ京都
『パティシエ特製、伝統のアップルパイ』(取り寄せ可)
青森県産のりんご約3個分を大きくザク切りにして食感を残した贅沢な味。直径約15cm。3456円。テイクアウト可。オンラインショップあり(冷凍)。京都府京都市中京区河原町御池
【第71期 ALSOK杯王将戦 第3局 1日目・午前(2022年1月29日/栃木・ホテル花月)対 渡辺明王将】
ホテル花月
『自家製栗の小倉羊羹』(取り寄せ可)
丁寧に手で練り上げられた餡は甘すぎず、栗の甘露煮とのバランスが絶妙。1080円。FAXまたはメールにて注文可。栃木県大田原市黒羽向町2
【第71期 ALSOK杯王将戦 第2局 2日目・午前(2022年1月23日/大阪・山水館) 対 渡辺明王将】
薩喜庵
『はにたん最中』(取り寄せ可)
北海道産の小豆を使用し、高槻産寒天を炊き込んだみずみずしい自家製あんこと、高槻市のゆるキャラ「はにたん」形のサクサクもなかが別々の個包装に。6個入り1750円~。大阪府高槻市宮田町2-40-10(宮田店)
【第34期 竜王戦 第1局 1日目・午前(2021年10月8日/東京・セルリアンタワー能楽堂)対 豊島将之竜王】
セルリアンタワー東急ホテル ペストリーショップ
『サバラン・オランジュ』
オレンジのリキュールを使ったシロップが染み込んだサバランに、華やいだ季節のフルーツがベストマッチ。680円 東京都渋谷区桜丘町26-1 セルリアンタワー東急ホテル LBF
【第34期 竜王戦 第3局 1日目・午前(2021年10月30日/福島・雨情の宿 新つた)藤井聡太竜王 対 豊島将之竜王】
お菓子のみよし
『じゃんがら』(取り寄せ可)
こだわりの小倉あんを、水を使わずに卵と牛乳だけでさっくりと焼いた皮でサンド。3個入604円~。福島県いわき市平谷川瀬1-11-3
【第62期 王位戦 第4局 2日目・午後(2021年8月19日/大阪・関西将棋会館)藤井聡太竜王 対 豊島将之竜王】
松月
『トラ焼き』(取り寄せ可)
新鮮な卵を使い、ふんわりとトラのしま模様に焼き上げた生地にクリームをサンド。藤井竜王がセレクトしたのは、カスター(上)183円と、塩キャラメル(下)216円。
大阪府大阪市北区中津7-8-3
渡辺明名人(37才)
東京都葛飾区出身。第79期名人。2000年プロ入り。序盤研究と作戦のストックの多さでは、「現役最強」と称される。自身のブログで、「3時のおやつは何よりも楽しみ」と語っている。
【第79期 名人戦 第5局 第1日・午前(2021年5月28日/神奈川・ホテル花月園)
対 斎藤慎太郎八段】
ホテル花月園
『花月園特製パウンドケーキ』(取り寄せ可)
老舗ホテルの洋食シェフが作る、40年の伝統を誇る自家製パウンドケーキ。ドライフルーツやくるみと上品な甘さが好相性。1200円。要予約。FAXにて注文可。神奈川県足柄下郡箱根町仙石原1244-2
【第92期 ヒューリック杯棋聖戦 第2局・午前(2021年6月18日/兵庫・ホテルニューアワジ)対 藤井聡太棋聖】
ホテルニューアワジ
『Awajiロール』
淡路島の米粉ともち粉を使い、 たっぷりの生クリームと季節のフルーツを使ったホテル一番人気のケーキ。渡辺名人が食べたのは、淡路島鳴門オレンジを使用したもの(写真は、いちご、フランボワーズ、ブルーベリー、生クリーム、カスタードクリームを使用)。550円。兵庫県洲本市小路谷20(古茂江海岸)
永瀬拓矢王座 (29才)
神奈川県横浜市出身。2009年、17才0か月でプロ入り。ストイックに将棋に取り組む姿から、「軍曹」「鬼軍曹」というあだ名もあり、天才肌というよりは努力派。
【第5期叡王戦第2局・午後(2020年7月5日/兵庫県・城崎温泉 西村屋本館)永瀬拓矢叡王 対 豊島将之竜王・名人】
ローソン
『どらもっち(あんこ&ホイップ)』
風味豊かな粒あんと生クリームをブレンドした、ホイップクリームの味と食感のバランスが見事。生地の“もっち”もち感は感動的。180円。
・ついたあだ名が「バナ永瀬」
対局中に用意されたバナナの総数が23本にも及んだこともあるほど、バナナ好きな永瀬王座。バナナに含まれるブドウ糖はすぐに脳のエネルギー源になるので、対局中のおやつとしては◎。
豊島将之九段(31才)
愛知県一宮市出身。2007年プロ入り。4才から将棋を始め、子供の頃から天才と呼ばれる。序盤、中盤、終盤と隙のない、攻守のバランスに優れたオールラウンドプレーヤー。
・豊島九段といえば、「フルーツ盛り合わせ」
おやつにフルーツ盛り合わせを注文するのは「豊島定跡」と呼ばれ、2020年の竜王線では、第5局までのおやつで、13回フルーツ盛り合わせを頼み、話題になったことも。
■加藤一二三さん(82才)
2016年12月に14才5か月でプロデビューした藤井聡太竜王の初戦で対戦し敗退。両棋士の年齢差は62才6か月だったことも大きな話題に。
2017年に最高齢で現役を引退した将棋界のレジェンド・ひふみんこと加藤一二三さんは、「おやつ」にまつわる伝説も多数もつ。
「ケーキ、バナナ、みかん、チョコレート、カマンベールチーズなどを好んで食べていました。対戦中は12時の昼食の後、夕食は6時なので、その間どうしてもお腹がすきます。お腹がすくと集中力を欠くので、勝負で空腹は禁物です。好きなおやつを食べることでテンションもあがりますし、元気よく戦いを続けられました。特にチョコレートが好きだったので、1日に板チョコを4枚、2日間の対局で8枚食べたという話は有名になりましたね(笑い)」(加藤一二三さん)
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取材・文/田名部知子 撮影/玉井幹郎、黒石あみ スタイリング/SUI
※女性セブン2022年4月28日号