ライフ

本来1日2食だった日本人の食生活 昼食を摂る文化が生まれたのは江戸時代

(写真/pixta)

1日3食は食べ過ぎ?(写真はイメージ)

 食生活の基本であるといわれ続けてきた「1日3食」。実際に文部科学省は小学校教育の中の「食育」の一環として1日3度の食事を推進している。

 しかし歴史をひもとくと、私たちが3度の食事を摂るようになったのは比較的最近のことのようだ。江戸料理文化研究所代表の車浮代さんが解説する。

「日本人の食生活は長らく、朝夕の1日2回のみとされていました。ところが、江戸時代に入り、都市に人口が増えて建物が密集するようになると火事が増え、突貫工事での修復が続きました。普請は力仕事でお腹も空く。空腹を抱えた多くの労働者のため、昼食を出す屋台が立ち並ぶようになったことをきっかけに、昼食を摂る文化が定着しました。

 こうした事情に加え、照明の発達も1つの理由だと考えられます。江戸時代以前は太陽の動きとともに暮らしていたため、日が落ちた後は仕事や家事を休み床に入っていた。しかし魚油やごま油、菜種油のような照明用の油が行き渡るようになったことで庶民の暮らしにも照明が浸透するようになりました。その結果、遅い時間まで活動できるようになったことも影響しているのでしょう」

 もちろん当時は農業・建設機械はもとより、自動車も電車もない。農民のほか大工や飛脚など体力が必要な仕事がほとんどで、運動量が多ければその分食事も多く摂る必要があったのは当然だろう。

「江戸時代と比べると、現代は運動量が激減しています。特に昨今のテレワーク生活においてその傾向は顕著です。つまり、いまの私たちが3食食べる必要はない。“朝昼晩”に固執するのではなく、お腹が空いてから食べることを心がけた方がいい。私自身も空腹を感じるまでは食事を摂らないようにしているため、自然と1日2食になる日が多いです」(車さん)

関連記事

トピックス

氷川きよしが紅白に出場するのは24回目(産経新聞社)
「胸中の先生と常に一緒なのです」氷川きよしが初めて告白した“幼少期のいじめ体験”と“池田大作氏一周忌への思い”
女性セブン
公益通報されていた世耕弘成・前党参院幹事長(時事通信フォト)
【スクープ】世耕弘成氏、自らが理事長を務める近畿大学で公益通報されていた 教職員組合が「大学を自身の政治活動に利用、私物化している」と告発
週刊ポスト
阪神西宮駅前の演説もすさまじい人だかりだった(11月4日)
「立花さんのYouTubeでテレビのウソがわかった」「メディアは一切信用しない」兵庫県知事選、斎藤元彦氏の応援団に“1か月密着取材” 見えてきた勝利の背景
週刊ポスト
多くのドラマや映画で活躍する俳優の菅田将暉
菅田将暉の七光りやコネではない!「けんと」「新樹」弟2人が快進撃を見せる必然
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告(右)と父の修被告
「ハイターで指紋は消せる?」田村瑠奈被告(30)の父が公判で語った「漂白剤の使い道」【ススキノ首切断事件裁判】
週刊ポスト
10月には10年ぶりとなるオリジナルアルバム『Precious Days』をリリースした竹内まりや
《結婚42周年》竹内まりや、夫・山下達郎とのあまりにも深い絆 「結婚は今世で12回目」夫婦の結びつきは“魂レベル”
女性セブン
騒動の発端となっているイギリス人女性(SNSより)
「父親と息子の両方と…」「タダで行為できます」で世界を騒がすイギリス人女性(25)の生い立ち 過激配信をサポートする元夫の存在
NEWSポストセブン
九州場所
九州場所「溜席の着物美人」の次は「浴衣地ワンピース女性」が続々 「四股名の入った服は応援タオル代わりになる」と桟敷で他にも2人が着用していた
NEWSポストセブン
初のフレンチコースの販売を開始した「ガスト」
《ガスト初のフレンチコースを販売》匿名の現役スタッフが明かした現場の混乱「やることは増えたが、時給は変わらず…」「土日の混雑が心配」
NEWSポストセブン
希代の名優として親しまれた西田敏行さん
《故郷・福島に埋葬してほしい》西田敏行さん、体に埋め込んでいた金属だらけだった遺骨 満身創痍でも堅忍して追求し続けた俳優業
女性セブン
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
「週刊ポスト」本日発売! 小沢一郎が吠えた「最後の政権交代を実現する」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 小沢一郎が吠えた「最後の政権交代を実現する」ほか
NEWSポストセブン