上野樹里演じるヨガインストラクター・沢田杏花(きょうか)が、父とともにダブル婚活にチャレンジするドラマ『持続可能な恋ですか?~父と娘の結婚行進曲~』(TBS系)がスタート。ドラマのヨガ監修を担当しているヨガインストラクター・密山礼巳さんに、このドラマ“じぞ恋”の見どころを聞いた。
ラクに生きるためのヒントがドラマにある
主人公、杏花の職業を始め、ドラマの重要なファクターとなっているヨガ。癒しを求める現代人に向けた、どんなメッセージが込められているのだろうか。
「ヨガというと、ポーズをとるエクササイズのように思っている方が多いのですが、ヨガには哲学があるんです。といっても難しくはなく、今よりちょっとラクに生きるためのヒントのようなものです。それらがヨガインストラクターである杏花の言葉として語られたり、杏花を取り巻く出来事に表れたり、ドラマにも活かされています。
例えば、第1話はヨガの教え、「アヒムサ」がドラマのストーリーに組み込まれていました。「アヒムサ」は非暴力という意味。人を傷つけないのは当たり前ですが、環境も、そして自分自身も傷つけないようにしようということなんです。
改めて言われると、ハッとしますし、現代人には大切な考え方ですよね。2話以降も、思わず気づかされるセリフや、展開があると思いますよ」(カッコ内、以下密山さん)
画面には現れないところまで“ヨギーニ”になっている上野樹里
インストラクター役の上野樹里は、今回がヨガ初挑戦。そうとは思えないほど、しなやかな動きを披露している。クランクイン前から密山さんのヨガレッスンを受け、役作りに取り組んでいたという。
「樹里さんは以前からピラティスをされていて、ご自身の体のことをよくご存知なんです。『こういう姿勢になりやすい』とか、『体のどの部分が動かしにくいか』などをちゃんと把握し、知識も豊富。
ピラティスとヨガは動きが似ているようで違うので、最初は『難しい』とおっしゃっていましたが、レッスンのたびにアップグレードしていきます。短期間のうちに、インストラクターとしてのポーズまでとれるようになるなんて、さすがだと思いました。ふだんから体と向き合う下地があったからだと思います。
レッスンを通して感じたのは、樹里さんは俯瞰する力がとてもあるということ。たとえば、ポーズをとるときの足の位置、瞑想するときの顔の角度など、杏花としてどう見えるかを、常に考えているんです。
さらにヨガ哲学やインストラクターとしてどう振る舞うかといったところまで学び、内面からもアプローチしている。いろいろなことを吸収し、積み上げて、杏花というキャラクターができるんだなというのは、間近でみて感じたことです。
『杏花先生のレッスンを受けたい』と生徒さんが集まる信頼のあつい誠実な先生、というのが、私が感じた杏花像。表裏がない樹里さんの素の部分が、きっと自然と反映されているはずです」
撮影前後には体をほぐし、あたたかい飲み物を入れたマイボトルを持参したり、オーガニック製品を持っていたり。実際には画面に映らないところでもヨギーニ(ヨガをする人)の姿を実践している上野の姿に、密山さんは感動したと語る。
「樹里さんの日常をお聞きしたら、『誰よりもアヒムサだ!』って思うくらいステキなんです。お味噌を手作りしたり、服や物を選ぶときは環境にやさしい製品かどうかをちゃんと調べてから購入したり。
日々の暮らしを大切に思い、環境や自分の体にやさしくあることを意識されている姿に、私も学ばせてもらってばかりです」
単なるエクササイズにとどまらず、自分と向き合い、内面を見つめることもヨガ。密山さんは自身の著書『読むヨガ』で、アヒムサをはじめ、ヨガ哲学について語っている。本の帯には、「『健やかで美しく幸せな人生』を送るヒントがつまっています!」という言葉を上野が寄せてくれた。
「樹里さんが、『充実の内容ですね』と本の感想をくださって感激しました。ふだんから美についての感度が高い樹里さんから、『美しく』という言葉をいただいたのが、さらにうれしかったですね。
『心がザワザワしていたり、何かひっかかることがあったりしても、ヨガをしたあとは気持ちが穏やかになれるみたい。フラットに整う感覚がわかりました』と、樹里さんがおっしゃっていたことがあるんです。ヨガをすることで、自らの内と外、両面によい効果を感じてくださっているのかなとうれしく思いました」