森永乳業が日本国民の大腸について調査したところ、大腸の状態にも“県民性”があることがわかった。好不調が分かれたその理由とは──。
大腸は全身の健康において重要な働きを持つ臓器だ。コロナ禍で免疫力低下が危惧される中、少しでも免疫力を高めようと腸活に努める人が増えているという。
森永乳業が2021年に行った調査では、「大腸(腸内・おなか)の健康について普段から意識していますか?」という問いに対し、2020年は「意識している」「どちらかと言えば意識している」が合わせて35%だったが、2021年には52.2%となり、大腸の健康を意識している人が大きく増加。大腸の健康に対する意識がさらに高まっていることがわかった。
「大腸に関する健康意識により、ヨーグルトや野菜、食物繊維といった食事に関心が集まっているのは望ましい傾向です」と言うのは、みなと芝クリニック院長の川本徹さん。
アンケート調査による便秘の指標【※】に関する回答を点数化し、都道府県別に「快便偏差値」を算出したところ、2021年の快便偏差値1位は、2020年に15位だった東京都で、2位神奈川県、3位愛知県と、大都市が大きく上昇する結果となった。
一方、2020年1位の静岡県が大きくダウンして22位。逆に偏差値ワーストの47位だった長崎県は7位に躍進した。どうしてこのような大幅変動が起きたのだろうか。
【※森永乳業が全国47都道府県の20~59才の男女1万2032人(各県男女128人ずつ)を対象に、インターネットで「大腸環境」の実態調査を行った。便秘の指標となった要素は以下14項目。【◎排便日数、〇排便時間帯、◎便のにおい(*)、◎便の形状(硬さ)・色、〇残便感、◎オナラのにおい(*)、◎ストレス、◎運動頻度、◎睡眠時間、〇食事の回数、〇朝食の摂取、〇水分の摂取、〇風邪のひきやすさ、〇発酵食品の摂取】◎は20点満点、〇は10点満点の配点で集計し、偏差値を割り出した。(*自分の便やオナラのにおいが気になる)】
便秘県の1位は「ストレスのためやすい」青森県
快便偏差値のワースト5は、いずれも食材が豊かな地方都市だ。
「健康によいものが手に入る地の利があるにもかかわらず、偏差値が低いのは、県民性というか、社会的な因子が加わっているような感じがします。コロナ禍による抑圧的な生活が長く続くと、食による腸活を凌駕するような影響が出てくるのではないでしょうか」(川本さん・以下同)