スポーツ

阪神・矢野監督「2番・佐藤輝」への違和感 ラミレス監督の「2番・筒香」との違い

佐藤輝明の2番起用にどのような根拠があったのか(時事通信フォト)

佐藤輝明の2番起用にどのような根拠があったのか(時事通信フォト)

 歴史的な負けっぷりとなっている。4月21日、阪神はDeNAに5対7で逆転負けを許し、横浜スタジアムで3連敗。開幕から1か月も経たないうちに、他の5球団全てに同一カード3連敗を喫し、セ・リーグの借金16を全て背負う非常事態となった。この日、矢野燿大監督は5年目の熊谷敬宥を2番で今季初スタメン、前日まで2番を打っていた佐藤輝明をプロ初の3番で起用するなど打順を動かした。4回には3年目の小野寺暖が代打逆転満塁を放つなど作戦が的中して5点を奪ったが、勝利の女神は微笑まなかった。プロ野球担当記者が話す。

「開幕戦で8点取りながら負けたように、今の阪神は打線が頑張ればピッチャーが打たれ、ピッチャーが抑えれば打線が沈黙する。そのテコ入れとして首脳陣が動きましたが、何かしらの根拠を持って打線を組んでいるのか疑問があります」(以下同)

 矢野監督は昨年ルーキーで24本塁打を放った佐藤輝を開幕から4番に据えていたが、4月14日の中日戦から突然2番で起用した。その試合後、井上一樹ヘッドコーチは佐藤輝の2番起用を「今、2番に一発のあるバッターを置くのは全然ありなわけで。気分転換というか、ちょっと兆しを見せてくれないかなという意味合いで2番にした」などと説明した。

「井上ヘッドのコメントを聞く限り、『他球団も長打のある打者を2番に置いているから問題ない』という思いつきと捉えられても仕方ないでしょう。特に根拠があるとは感じられない。たしかに佐藤輝は4番よりも2番になってから打ちましたが、本人のバイオリズムもあるし、2番という打順が本当に関係しているかはわからない。問題は大した理由もなく、“今、2番に一発のあるバッターを置くのは全然あり”という他球団の作戦に後乗りした首脳陣の考え方です」

 日本では、長らく2番は小技のできる打者が置かれる傾向があった。V9時代の巨人では土井正三や高田繁、1980年代から1990年代にかけて黄金時代を築いた西武では平野謙が送りバントや右打ちでランナーを進めてきた。

「1950年代に西鉄の三原脩監督が豊田泰光、1999年からは日本ハムの上田利治監督が3年目の小笠原道大を2番に起用してブレイクさせた。このように、古くから『2番に長打のある打者を置く』という作戦はありました。その考え方が近年になって、定着しつつある。

 2017年に楽天の梨田昌孝監督が2番にペゲーロを持ってくる攻撃的なオーダーを組み、前半戦を首位で折り返す躍進を見せた。これが1つのターニングポイントでした。この年は巨人の高橋由伸監督も7月からマギーに2番を打たせていました。最近では巨人の坂本勇人が2番を務めているように、長打もあってバントのしない2番も主流になりつつあります」

関連記事

トピックス

中学時代の江口容疑者と、現場となった自宅
「ガチ恋だったのかな」女子高生死体遺棄の江口真先容疑者(21) 知人が語る“陰キャだった少年時代”「昔からゲーマー。国民的アニメのカードゲームにハマってた」【愛知・一宮市】
NEWSポストセブン
すき家がネズミ混入を認め全店閉店へ(左・時事通信フォト、右・HPより 写真は当該の店舗ではありません)
【こんなに汚かったのか…】全店閉店中の「すき家」現役クルーが証言「ネズミ混入で売上4割減」 各店舗に“緊急告知”した内容
NEWSポストセブン
中居の女性トラブルで窮地に追いやられているフジテレビ(右・時事通信フォト)
X子さんフジ退社後に「ひと段落ついた感じかな」…調査報告書から見えた中居正広氏の態度《見舞金の贈与税を心配、メッセージを「見たら削除して」と要請》
NEWSポストセブン
ロコ・ソラーレが関東で初めてファンミーティングを開催(Instagramより)
《新メンバーの名前なし》ロコ・ソラーレ4人、初の関東ファンミーティング開催に自身も参加する代表理事・本橋麻里の「思惑」 チケットは5分で完売
NEWSポストセブン
江口容疑者と自宅
《16歳女子高生の遺体を隠し…》「6人家族だけど、共働きのご両親が不在がちで…」江口真先容疑者(21)が実家クローゼットに死体を遺棄できた理由
NEWSポストセブン
中居氏による性暴力でフジテレビの企業体質も問われることになった(右・時事通信)
《先輩女性アナ・F氏に同情の声》「名誉回復してあげないと可哀想ではない?」アナウンス室部長として奔走 “一管理職の職責を超える”心労も
NEWSポストセブン
濱田淑恵容疑者の様々な犯罪が明るみに
【女占い師が逮捕】どうやって信者を支配したのか、明らかになった手口 信者のLINEに起きた異変「いつからか本人とは思えない文面になっていた」
週刊ポスト
中居の女性トラブルで窮地に追いやられているフジテレビ(右・時事通信フォト)
「スイートルームの会」は“業務” 中居正広氏の性暴力を「プライベートの問題」としたフジ幹部を一蹴した“判断基準”とは《ポイントは経費精算、権力格差、A氏の発言…他》
NEWSポストセブン
大手寿司チェーン「くら寿司」で迷惑行為となる画像がXで拡散された(時事通信フォト)
《善悪わからんくなる》「くら寿司」で“避妊具が皿の戻し口に…”の迷惑行為、Xで拡散 くら寿司広報担当は「対応を検討中」
NEWSポストセブン
男性キャディの不倫相手のひとりとして報じられた川崎春花(時事通信フォト)
“トリプルボギー不倫”4週連続欠場の川崎春花、悩ましい復帰タイミング もし「今年全休」でも「3年シード」で来季からツアー復帰可能
NEWSポストセブン
騒動があった焼肉きんぐ(同社HPより)
《食品レーンの横でゲロゲロ…》焼肉きんぐ広報部が回答「テーブルで30分嘔吐し続ける客を移動できなかった事情」と「レーン上の注文品に飛沫が飛んだ可能性への見解」
NEWSポストセブン
中居の女性トラブルで窮地に追いやられているフジテレビ
「スイートルームで約38万円」「すし代で1万5235円」フジテレビ編成幹部の“経費精算”で判明した中居正広氏とX子さんの「業務上の関係」 
NEWSポストセブン