腹部への圧迫を防いで不快感を解消 “逆流しやすい体質は姿勢でフォロー可能”
逆流性食道炎は、再発率が高い。加齢現象で胃液が逆流しやすくなった体は、なかなか元に戻らないからだ。胃液の逆流を防止していた横隔膜や下部食道括約筋のパワーは、歳をとるごとに減るばかり。そこへ、胃液を胃へ押し戻す動きをする食道の運動機能も弱まっていく。しかし、「胃を外から圧迫する要因をなくす」「食道が胃液にさらされる時間をできるだけ短くする」ことで、症状は緩和できる。
最も逆流が起きやすいのは、就寝中と食後2~3時間だ。食後にどうしても横になりたいときは、せめて左側を下にするか、上半身を高くしてひと休み。そんな気遣いを重ねて、胃液の出入り口の緩みをカバーしていきたい。
監修/島田英昭氏(東邦大学教授、東邦大学大森病院がんセンター長) 取材・文/山本真紀
※週刊ポスト2022年4月29日号