赤楚衛二と町田啓太が共演する映画『チェリまほ THE MOVIE ~30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい~』(公開中)が話題を呼んでいる。2人が演じる文具会社の若手社員の一途な思いが多くの人の心を捉えているのだ。コラムニストのペリー荻野さんが解説する。
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『チェリまほ』が好きでよかった…公開中の映画『チェリまほ THE MOVIE 30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』を観た人は、きっとこう思っていることだろう。
2020年、テレビ東京系の深夜ドラマとして放送されたドラマ『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』は、涙と笑いを織り交ぜたピュアな恋物語に胸打たれると回を追うごとにファンが激増。ギャラクシー賞「月間賞」はじめ、数々の賞に輝き、放送直後は“チェリまほ”日本、タイ、韓国、ベトナムなどでトレンド入り、200か国や地域で観られるなど、旋風を巻き起こした。
物語は、文具会社の地味な若手社員・安達(赤楚衛二)が童貞のまま30歳を迎え、“触れた人の心が読める”魔法を手に入れたことから始まる。すると上司からも女子社員からも人気が高く、仕事ができる同期の黒沢(町田啓太)が自分に恋心を抱いていると判明する。困惑する安達だったが、黒沢の一途な思いを少しずつ理解し、ふたりは心を通わせて、ついに恋人同士に。映画では、ふたりのその後が描かれる。
とにかく、このドラマでは安達と黒沢の「動き」と「心の声」が心に響いた。二枚目の黒沢を「モテofモテを極めた人生」だと思っていた安達が、「あの黒沢が俺のことを」と激しく動揺。プルプルと動きがおかしくなったり、書類をぶちまけたりしてしまう。
一方、クールで爽やか笑顔の黒沢が安達に接近するたびに心の中で思うのは、「めっちゃドキドキするんですけど」「安達の寝顔、マジ天使」と恋する乙女のような言葉。同時に「ごめんな、好きになって」「どんな形でもいい。そばにいられるなら俺は同期でいい」と切なすぎる本音も。ついに「好きだ」と告白しても、「安達が苦しくない選択をしてほしい」とも言い添えることも忘れない。くーっ!! ここまで言われちゃ、二人の行く末を見守らずにはいられませんて。