国際情報

不可解な金正恩氏のリーダー像 映画風のミサイル発射映像、看板アナとの手つなぎも

金正恩氏にはどんな狙いが…(写真/共同通信社)

映画さながらの「ミサイル発射映像」にはどんな狙いが…(写真/共同通信社)

 臨床心理士・経営心理コンサルタントの岡村美奈さんが、気になったニュースや著名人をピックアップ。心理士の視点から、今起きている出来事の背景や人々の心理状態を分析する。今回は、繰り返されるミサイルの発射や高級住宅街の建設など、話題に事欠かない北朝鮮の最高指導者・金正恩総書記の印象操作について。

 * * *
 そのニュースを見て、なんとも奇妙な感じがした。画面に映っていたのは、朝鮮中央テレビの看板アナウンサー、李春姫(リ・チュニ)さんと手をつなぎ、豪華な部屋の中を歩く北朝鮮の最高指導者・金正恩総書記の姿だ。

 金総書記は国内外からの注目を集めるため、印象操作に力を入れ始めたのだろうか。そう思ったのは、3月25日に朝鮮中央テレビが公開した新型のICBM、大陸間弾道ミサイル「火星17型」の発射映像を見たからだ。これが今までみたいな記録映像とは違い、人々が思わず目を止めて見てしまうようなアピール性の高い、映画のような作りだったのだ。

 ミサイル格納庫の扉が開くと、そこから出てきたのは、黒い革ジャンに黒いサングラス姿の金総書記。イメージはハードボイルドで、歩き出しのスローモーションが効果的だ。両脇に並ぶのは金総書記よりやや背が低く見える軍人2人。ミサイル発射の成功を、金総書記の功績として大々的にアピールする目的ならば、並んで歩く者が金総書記より背が高いことはあり得ない。北朝鮮の映像だ。そこには何らかの意図が含まれているような気がする。

 移動式発射台に搭載された弾道ミサイルの前を歩く金総書記は、自らがミサイルを誘導し、従えているようにも見える。その偉大さはミサイルの大きさに比例し、成功は金総書記の導きによるとでも暗に印象付けたいかのよう。ミサイル発射の瞬間、建物の窓からミサイルを見上げ、手をたたいて満面の笑みを見せた。そして映像は、滑走路のような場所を歩くシーンで終わる。“北朝鮮はこれからも金総書記とともに大きく前進していく”というメッセージだろうか。

関連記事

トピックス

精力的な音楽活動を続けているASKA(時事通信フォト)
ASKAが10年ぶりにNHK「世界的音楽番組」に出演決定 局内では“慎重論”も、制作は「紅白目玉」としてオファー
NEWSポストセブン
2022年、公安部時代の増田美希子氏。(共同)
「警察庁で目を惹く華やかな “えんじ色ワンピ”で執務」増田美希子警視長(47)の知人らが証言する“本当の評判”と“高校時代ハイスペの萌芽”《福井県警本部長に内定》
NEWSポストセブン
ショーンK氏
《信頼関係があったメディアにも全部手のひらを返されて》ショーンKとの一問一答「もっとメディアに出たいと思ったことは一度もない」「僕はサンドバック状態ですから」
NEWSポストセブン
悠仁さまが大学内で撮影された写真や動画が“中国版インスタ”に多数投稿されている事態に(撮影/JMPA)
筑波大学に進学された悠仁さま、構内で撮影された写真や動画が“中国版インスタ”に多数投稿「皇室制度の根幹を揺るがす事態に発展しかねない」の指摘も
女性セブン
奈良公園と観光客が戯れる様子を投稿したショート動画が物議に(TikTokより、現在は削除ずみ)
《シカに目がいかない》奈良公園で女性観光客がしゃがむ姿などをアップ…投稿内容に物議「露出系とは違う」「無断公開では」
NEWSポストセブン
ショーンK氏が千葉県君津市で講演会を開くという(かずさFM公式サイトより)
《ショーンKの現在を直撃》フード付きパーカー姿で向かった雑居ビルには「日焼けサロン」「占い」…本人は「私は愛する人間たちと幸せに生きているだけなんです」
NEWSポストセブン
気になる「継投策」(時事通信フォト)
阪神・藤川球児監督に浮上した“継投ベタ”問題 「守護神出身ゆえの焦り」「“炎の10連投”の成功体験」の弊害を指摘するOBも
週刊ポスト
長女が誕生した大谷と真美子さん(アフロ)
《大谷翔平に長女が誕生》真美子さん「出産目前」に1人で訪れた場所 「ゆったり服」で大谷の白ポルシェに乗って
NEWSポストセブン
九谷焼の窯元「錦山窯」を訪ねられた佳子さま(2025年4月、石川県・小松市。撮影/JMPA)
佳子さまが被災地訪問で見せられた“紀子さま風スーツ”の着こなし 「襟なし×スカート」の淡色セットアップ 
NEWSポストセブン
第一子出産に向け準備を進める真美子さん
【ベビー誕生の大谷翔平・真美子さんに大きな試練】出産後のドジャースは遠征だらけ「真美子さんが孤独を感じ、すれ違いになる懸念」指摘する声
女性セブン
『続・続・最後から二番目の恋』でW主演を務める中井貴一と小泉今日子
なぜ11年ぶり続編『続・続・最後から二番目の恋』は好発進できたのか 小泉今日子と中井貴一、月9ドラマ30年ぶりW主演の“因縁と信頼” 
NEWSポストセブン
同僚に薬物を持ったとして元琉球放送アナウンサーの大坪彩織被告が逮捕された(時事通信フォト/HPより(現在は削除済み)
同僚アナに薬を盛った沖縄の大坪彩織元アナ(24)の“執念深い犯行” 地元メディア関係者が「“ちむひじるぅ(冷たい)”なん じゃないか」と呟いたワケ《傷害罪で起訴》
NEWSポストセブン