国内

戦争に乗じた「ウクライナ応援グッズ」 暴力団組織が新たなシノギに

ウクライナの首都キーウ近郊の損壊した建物(共同通信社)

ウクライナの首都キーウ近郊の損壊した建物(共同通信社)

 警察や軍関係、暴力団組織などの内部事情に詳しい人物、通称・ブラックテリア氏が、関係者の証言から得た驚くべき真実を明かすシリーズ。今回は、コロナ禍で収入源が激減したヤクザが目を付けた新たな“シノギ”について、暴力団組織幹部のA氏に話を聞いた。

 * * *
「目ざといやつらは、ウクライナで儲けている」

 ある暴力団組織の幹部・A氏はそう語り、ネットで販売されていた商品の1つをスマホで見せてくれた。

「コロナ渦にウクライナの戦争が重なり、ヤクザらしい仕事は何一つない。定期的にあった組や仲間からの電話連絡もほとんどなくなった。たまに電話があってもお互いに挨拶で終わり。ヤクザは今、本当に暇だ。神戸山口組も静かになってしまって、めぼしい情報もほとんどない。抗争があって、注目されてこそヤクザなんだが、最近は週刊誌の話題にもならない」と彼は嘆く。

 4月上旬、麻薬の密輸や地対空ミサイルを不法に売買しようとした疑いで、米司法当局が日本の「ヤクザ」幹部らを逮捕したと報じられた。だが、「一瞬周囲はざわついたが、誰もあんなやつは知らない」という。

「麻薬も武器も、東南アジアでなんとでもなる。本当のヤクザなら、わざわざ米国になんていかない。俺のような本物のヤクザなら、そもそも米国には入国できない」(A氏・以下同)

 この数か月、どこぞの組から破門状や絶縁状が出たという話は聞くが、暴力団が絡んだ大きな事件は耳にしない。六代目山口組と神戸山口組の抗争も、一時は銃撃事件が各地で起こり警戒されたが、今は影を潜めている。

 コロナ過で飲食店などが休業や閉店を余儀なくされ、極道界ではみかじめ料に代表されるシノギと呼ばれる収入元が激減したと言われる。そこで彼らヤクザはあちこちにアンテナを張り巡らし、儲かりそうなネタを探し回る。タピオカが流行ればタピオカ店を出し、マスクが必要になればマスクを販売するが、ブームが終わればさっさと引き払い、別の儲かりそうなビジネスを探し出す。そしてA氏が目を付けたのが、ウクライナ応援グッズだ。

「みんな色々考えていて、目ざといやつは動きも早い。俺も若いのに『ウクライナ関連のTシャツでも仕入れて売れよ、儲かるぞ』と言ったが『本当に売れるんですかぁ?』と話半分ですぐに動かなかった。さっさとやったやつはネット販売でひと儲けしている」

関連記事

トピックス

公開された中国「無印良品」の広告では金城武の近影が(Weiboより)
《金城武が4年ぶりに近影公開》白Tに青シャツ姿の佇まいに「まったく老けていない…」と中華圏のメディアで反響
NEWSポストセブン
女子ゴルフ界をざわつかせる不倫問題(写真:イメージマート)
“トリプルボギー不倫”で揺れる女子ゴルフ界で新たな不倫騒動 若手女子プロがプロアマで知り合った男性と不倫、損害賠償を支払わずトラブルに 「主催者推薦」でのツアー出場を問題視する声も
週刊ポスト
林芳正・官房長官のお膝元でも「10万円疑惑」が(時事通信フォト)
林芳正・官房長官のお膝元、山口県萩市の元市議会議長が“林派実力者”自民党山口県連会長から「10万円入りの茶封筒を渡された」と証言、林事務所は「把握していない」【もうひとつの10万円問題】
週刊ポスト
本格的な活動再開の動きをみせる後藤久美子
後藤久美子、本格的な活動再開の動き プロボクサーを目指す次男とともに“日本を拠点”のプラン浮上 「国民的美少女コンテスト」復活で審査員を務める可能性も 
女性セブン
24時間テレビの司会を務めた水卜麻美アナ
《水卜アナ謝罪の『24時間テレビ』寄付金着服事件》「まだ普通に話せる状況ではない」実母が語った在宅起訴された元局長の現在
NEWSポストセブン
すき家の「クチコミ」が騒動に(時事通信、提供元はゼンショーホールディングス)
【“ネズミ味噌汁”問題】すき家が「2か月間公表しなかった理由」を正式回答 クルーは「“混入”ニュースで初めて知った」
NEWSポストセブン
スシローから広告がされていた鶴瓶
《笑福亭鶴瓶の収まらぬ静かな怒り》スシローからCM契約の延長打診も“更新拒否” 中居正広氏のBBQパーティー余波で広告削除の経緯
NEWSポストセブン
すき家がネズミ混入を認める(左・時事通信フォト、右・HPより 写真はいずれも当該の店舗、スタッフではありません)
《丸ごとネズミ混入》「すき家」公式声明に現役クルーが違和感を覚えた点とは 広報部は「鍋に混入した可能性は著しく低い」と回答
NEWSポストセブン
西武・源田壮亮の不倫騒動から3カ月(左・時事通信フォト、右・Instagramより)
《西武・源田壮亮の不倫騒動から3カ月の現在》元乃木坂の衛藤美彩、SNSの更新はストップのまま…婚姻関係継続で貫く「妻の意地」
NEWSポストセブン
亡くなる前日、救急車がマンションに……
《遺骨やお墓の場所もわからない…》萩原健一さん七回忌に実兄は「写真に手をあわせるだけです」明かした“弟との最期の会話”
NEWSポストセブン
試合後はチームメートの元を離れ、別行動をとっていた大谷翔平(写真/アフロ)
【大谷翔平、凱旋帰国の一部始終】チーム拠点の高級ホテルではなく“東京の隠れ家”タワマンに滞在 両親との水入らずの時間を過ごしたか 
女性セブン
「週刊ポスト」本日発売! 山本太郎が吠えた!「野党まで財務省のポチだ」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 山本太郎が吠えた!「野党まで財務省のポチだ」ほか
NEWSポストセブン