前代未聞の完全投球で無限の可能性を感じさせるロッテ・佐々木朗希(20)。プロ3年目ながら、唯一の400勝投手である“カネやん”こと故・金田正一氏の記録を超えることさえ期待してしまう。
ダイナミックな“マサカリ投法”で通算215勝をあげた村田兆治氏は、ロッテで金田氏に才能を見出され、開花した投手である。佐々木については、「凄いピッチャーが出てきたね」と目を細める。
「これからはエースとして1年間ローテーションを守り、最低でも15勝はあげてほしい。チームを何年も引っ張り続けて初めて大投手と呼ばれるのですから。過去に完全試合を達成した投手は15人いますが、そのうち200勝以上したのは藤本英雄さんとカネさんだけ。カネさんが凄いのは14年連続で20勝以上を続けたことです。佐々木も今の素晴らしいフォームをどう長く維持していくかを考えてほしい」
村田氏は現役時代、凄まじい落差のフォークボールを武器としたが、佐々木のフォークはどう見ているのか。
「ストレートと同じような腕の振りで投げている。角度もあるし、落ち方がいい。バッターからストレートと同じように見えているから空振りになる。素晴らしいと思うよ。腕の振りが緩かったり、球のスピードが遅かったりするとファウルで逃げられるんだけど、そうなっていない。もちろんバッターもプロだから研究してきますよ。ただ、佐々木は腕を振ってフォークをストライクゾーンに投げておけば簡単に打たれないと思いますね」
一方で、ヒジを故障してトミー・ジョン手術を受けた経験から、気がかりな点もあるという。