スポーツ

“永田町の怪僧”池口恵観の弟子となった女子アームレスラーが語る「恩返し」

池口恵観の弟子・山田よう子さんが試合に臨む

池口恵観の弟子・山田よう子さんが試合に臨む

 4月30日に東京・新木場で開催される総合格闘技イベント「EYES OF BEAST 2022」。主催団体の公式ホームページで発表された対戦カードには、佐藤光留や“ラウェイファイター”渡慶次幸平らの人気選手に交じり、「山田よう子(池口恵観大阿闍梨愛弟子)」との名が記されている。

 池口恵観氏(85)といえば、高野山最福寺宿老にして、安倍晋三・元首相や二階俊博・前幹事長など、政財界に大きなパイプを持つ「永田町の怪僧」との異名を持つ人物だ。また、その影響力はスポーツ界や芸能界にも及び、元野球選手の清原和博氏やミュージシャンのGAKCTらとも親交が深い。

 そんな“怪僧”の名前が、なぜ山田よう子のプロフィールに記されているのか。山田はアームレスリング女子全日本13連覇、2019年にはポーランドで開催された世界選手権女子52キロ級を制し、世界一の座に輝いたアームレスラーだ。155センチ45キロの華奢な外見からは想像がつかないが、プライベートでは8歳の長男を筆頭に5人の子供たちを育てる肝っ玉ママでもある。

 その山田と池口氏はどう出会ったのだろうか。出会いは約20年前まで遡る。当時、朝青龍がトレーニングしていることでも知られるエンドウジムで鍛えていた山田は、同じくジムに通っていた元小結の旭鷲山と親しくなる。旭鷲山が信奉していたのが池口氏だ。山田はこう話す。

「旭鷲山さんに誘われて恵観先生が定宿としている赤坂のホテルの一室を訪ねたら、部屋に入ったとたんに、何も言っていないのに、当時の悩みなんかをズバズバと当てられ『スゴい』と思った」(山田、以下同)

 しかし、いきなり弟子となったわけではない。しばらくは、ほぼ毎月神奈川・江の島にある「最福寺江の島大師」で護摩行(※炎の前でお経を唱える行)に通っていたが、「弟子ではなく、お客さんの扱い」だったという。しかし、その関係に変化が訪れたのが、2017年のことだ。

「私は出産のために、2012年を最後にアームから遠ざかっていた。でも、2015年に次男を授かり、2017年に3、4人目となる双子を生み、自分としては家事や育児に追われる毎日で、正直このままの生活でいいのか、『アームレスラー』としての自分はどうなるのか……と悶々とする日々でした。自らを変えるために翌年の『全日本大会』で復帰しようかと思い立ちましたが、ブランクを考えるとなかなか思い切れなかった。

 迷いを抱えたまま、その月も護摩行を終えたのですが、何かを察した恵観先生が、『どうした』と声をかけてくれた。そこで不安が爆発して大号泣してしまったんです。そんな私に恵観先生は、お弟子さんに札を持ってこさせると、木の札に、直筆でさらさらと私の名前を書いて、先生の息子さんや、高弟の方たちと同じ『特別な場所』に、その札をかけてくださったんです」

 その日から、晴れて山田は、池口氏の「弟子」となった。完全に弟子入りしてからの池口氏はそれまでとは違い、正座する足の数センチの崩れも見逃さず喝を入れる。その変化に山田は驚きつつも、修行を重ねた。そして2018年、全日本の復帰戦で優勝。女子アームレスリング全日本王者に返り咲いたのだ。

「昨年2月に、第5子を出産したこともあり、護摩行に行けない時期もありましたが、恵観先生とは、メールなどで連絡は取りあっていました」

関連記事

トピックス

中居正広氏の兄が複雑な胸の内を明かした
【独自】「弟がやったことだと思えない…」中居正広氏“最愛の実兄”が独白30分 中居氏が語っていた「僕はもう一回、2人の兄と両親の家族5人で住んでみたい」
NEWSポストセブン
2024年末に第一子妊娠を発表した真美子さんと大谷
《大谷翔平の遠征中に…》目撃された真美子さん「ゆったり服」「愛犬とポルシェでお出かけ」近況 有力視される産院の「超豪華サービス」
NEWSポストセブン
新田恵利(左)と渡辺美奈代があの頃の思い出を振り返る
新田恵利×渡辺美奈代「おニャン子クラブ40周年」記念対談 新田「文化祭と体育祭を混ぜたような感覚でひたすら楽しかった」、渡辺「ツアーも修学旅行みたいなノリ」
週刊ポスト
放送時間を拡大しているフジテレビの『めざましテレビ』(番組公式HPより)
日テレ『ZIP!』とフジ『めざまし』、朝の“8時またぎ”をめぐるバトルがスタート!早くも見えた戦略の違い
NEWSポストセブン
新政治団体「12平和党」設立。2月12日、記者会見するデヴィ夫人ら(時事通信フォト)
《デヴィ夫人が禁止を訴える犬食》保護団体代表がかつて遭遇した驚くべき体験 譲渡会に現れ犬を2頭欲しいと言った男に激怒「幸せになるんだよと送り出したのに冗談じゃない」
NEWSポストセブン
公的年金は「社会的扶養」「国民の共同連帯」「所得再分配機能」(写真提供/イメージマート)
《まるで借りパク》政府の基礎年金(国民年金)の底上げ案 財源として厚生年金を流用するのは「目的外使用」ではないのか、受給額が年間8万円以上減額も
NEWSポストセブン
地元の知人にもたびたび“金銭面の余裕ぶり”をみせていたという中居正広(52)
「もう人目につく仕事は無理じゃないか」中居正広氏の実兄が明かした「性暴力認定」後の生き方「これもある意味、タイミングだったんじゃないかな」
NEWSポストセブン
『傷だらけの天使』出演当時を振り返る水谷豊
【放送から50年】水谷豊が語る『傷だらけの天使』 リーゼントにこだわった理由と独特の口調「アニキ~」の原点
週刊ポスト
英国の大学に通う中国人の留学生が性的暴行の罪で有罪に
《英国史上最悪のレイプ犯の衝撃》中国人留学生容疑者の素顔と卑劣な犯行手口「アプリで自室に呼び危険な薬を酒に混ぜ…」「“性犯罪 の記念品”を所持」 
NEWSポストセブン
原監督も心配する中居正広(写真は2021年)
「落ち着くことはないでしょ」中居正広氏の実兄が現在の心境を吐露「全く連絡取っていない」「そっとしておくのも優しさ」
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
〈山口組分裂抗争終結〉「体調が悪かろうが這ってでも来い」直参組長への“異例の招集状” 司忍組長を悩ます「七代目体制」
NEWSポストセブン
筑波大学の入学式に出席された悠仁さま(時事通信フォト)
「うなぎパイ渡せた!」悠仁さまに筑波大の学生らが“地元銘菓を渡すブーム”…実際に手渡された食品はどうなる
NEWSポストセブン