4月10日のオリックス戦での完全試合達成に続き、4月17日の日本ハム戦でも8回をパーフェクトピッチングだったロッテの佐々木朗希(20)。4月24日には再びオリックス戦の先発マウンドに上がる。日本中がその快投に注目するなか、京セラドーム大阪での試合は急遽、関西テレビでの放送が決まった。完全投球がどこまで続くかに加え、前回登板時に話題となった「8回降板」についても、様々な意見が飛び交っている。
日本ハム戦での佐々木は、史上初となる2試合連続完全試合を目前に、球数が102に達した8回まででマウンドを降りた。0-0のまま試合は延長戦に突入し、10回表に日本ハム・万波中正のホームランが飛び出し、ロッテは試合に敗れた。
ロッテの井口資仁監督は試合後、佐々木について「素晴らしいピッチングだった」としたうえで、「できれば我々も最後まで見たかったし、ファンの方も見たかったと思いますけど。いろいろ先々考えると、ちょっとあそこが今日は限界だったのかなと思います」と8回降板の理由を説明した。ファンの間では、まだ若い佐々木の肉体を慮って降板致し方なしとする声がある一方、NPBはおろかMLBでも例がない2試合連続完全試合が目前だったこともあり「投げさせてほしかった」との声もあがった。
プロ野球OBの間でも、佐々木を降板させる判断については、様々な意見が出ている。阪急の黄金時代をエースとして支え、通算284勝をあげた山田久志氏は「(降板は)ありだと思います」と語った。
「ロッテの佐々木についての方針は一貫していると思いますよ。井口監督個人の判断というよりは、ロッテが球団として佐々木の育て方を決めているのでしょう。我々から見れば“もっと投げさせてやればいい”と思うが、佐々木が(降板を)納得しているならそれでいい。ファンも納得するんじゃないですか。
今は科学的なトレーニングがなされていて、筋力や関節へのストレスが故障に繋がるということで、休養を挟まないといけないようですね。あれだけ全身を使ったフォームだと疲労度はかなりのものになるはずです」
その一方で、「投げさせてほしかったね」と語るのは、“カミソリシュート”を武器に巨人キラーとして活躍した大洋の元エースで、通算201勝の平松政次氏だ。
「2試合連続完全試合なんて、この先ないでしょうからね。二度とお目にかかれない大記録だっただけに、投げてもらいたかった。(味方が)得点をあげられずにいたというのは(降板の理由として)あると思うが、それでも投げてもらいたかった。
私なら“投げさせてほしい”と直訴しただろうが、チーム事情もあるし、佐々木の将来も考えないといけないんでしょうね……。佐々木は日本の宝だと思うし、長い野球人生となるのでしょう。あのストレートとフォークがあれば、これからも完全試合を達成する可能性はある。ただ、おそらく2試合連続完全試合のチャンスはなかなかないんじゃないか。相手から研究もされるし、味方がエラーすることだってある。メジャーでも例がないというのだから、投げさせてほしかったし、味方打線も点を取ってあげてほしかった」