芸能

尾崎豊、突然の死から30年 人気曲アンケート1位は『I LOVE YOU』

青山学院高等部に通っていた尾崎は、渋谷クロスタワー前の歩道橋で夕日を眺めていたという。三回忌となる1994年4月25日に歌碑が建立された

青山学院高等部に通っていた尾崎は、渋谷クロスタワー前の歩道橋で夕日を眺めていたという。三回忌となる1994年4月25日に歌碑が建立された

 1992年4月25日──日本のロックシーンを代表するシンガーソングライター尾崎豊が26才の若さでこの世を去った。それから30年……時を経てもいまだに色褪せない魅力を放っている。そんな尾崎の人気曲についてのアンケートを実施した(※『女性セブン』の読者、全国の20〜80代既婚女性1975人が回答、回答期間:2022年3月20〜23日)。

1980年代、異質な存在感を放っていた

 1983年12月、ひとりの高校生がデビューした。アルバム『十七歳の地図』は初回2234枚しか出荷されず、華々しいデビューとはいかなかったが、その後のライブ活動で爆発的にファン層を広げ、2ndアルバム『回帰線』はオリコン1位を記録。一躍スターダムにのし上がった。その青年こそ、尾崎豊だ。

「当時は、松田聖子や中森明菜が活躍するアイドル全盛時代。明るい楽曲が主流だったのですが、尾崎さんは、思春期の葛藤をリアルに歌い、若者の支持を集めた。とても異質な存在でした」

 とは、生前親交のあった音楽評論家の田家秀樹さんだ。

「尾崎さんが“10代の教祖”と呼ばれるカリスマになったのは、当時の世相も影響しています。1980年代は学生運動の轍を踏まないためにも学校の管理教育が厳格化。その弊害として校内暴力などが社会問題に。そこに“もう学校や家には帰りたくない”という思いを表現した尾崎さんの歌詞が重なりました」(田家さん)

 反抗の旗手とされた尾崎は、実際は真面目でやさしい青年だったという。

読者が愛した楽曲とは…?

 読者が愛した尾崎豊の楽曲ランキングの結果は以下の通り。1位『I LOVE YOU』、2位『15の夜』同票で3位『卒業』『OH MY LITTLE GIRL』、5位『僕が僕であるために』。『卒業』以外の4曲は、デビューアルバムに収録されている。

「これらは、10代の尾崎さんが作詞・作曲したデビュー作であり集大成。9年間の音楽活動で発表した曲は71曲ですが、その大半が、孤独で傷ついた人に寄り添う作品なんです」(田家さん・以下同)

 だからこそ、「傷ついたときに聴いて励まされた」という読者が多いのだろう。

「彼は傷ついている人の痛みを受け止められるか、常に自問自答していました。反抗の象徴とされましたが、実際は純粋でやさしい人。世間からの期待に応えきれなくなったことが、後の悲劇につながった部分もあると思います」

魂を削るようなライブに魅了された

 尾崎との思い出といえば、ライブは外せないという。

「私が最初に見たのは1985年1月の日本青年館でのライブ。表現したいことが体からあふれているようで、ステージに自分の血を塗りたくっているようにも見えました」

 そんな魂を削るようなライブはファンの間でも神格化される。その後、3rdアルバム『壊れた扉から』をヒットさせたものの、20才を迎え、方向性を見失う。そして無期限活動休止……。そんな苦難を乗り越え、1988年に結婚し、翌年に息子を授かる。

「父親の心情を歌った『誕生』という曲があります。それを聴くたび、父になった尾崎さんは、これからどんな歌を作るのだろう—そう思っていたのですが……。“そんなに早く死ぬなよ”と、いまでも思っています」

 死後30年経っても惜しむ心は変わらないという。

関連記事

トピックス

清原和博氏は長嶋さんの逝去の翌日、都内のビル街にいた
《長嶋茂雄さん逝去》短パン・サンダル姿、ふくらはぎには…清原和博が翌日に見せた「寂しさを湛えた表情」 “肉体改造”などの批判を庇ったミスターからの「激励の言葉」
NEWSポストセブン
貴乃花は“令和の新横綱”大の里をどう見ているのか(撮影/五十嵐美弥)
「まだまだ伸びしろがある」…平成の大横綱・貴乃花が“令和の新横綱”大の里を語る 「簡単に引いてしまう欠点」への見解、綱を張ることの“怖さ”とどう向き合うか
週刊ポスト
引退すると言っていたのに誰も真面目にとりあっていなかった(写真提供/イメージマート)
数十年続けたヤクザが引退宣言 知人は「おめでとうございます」家族からは「大丈夫なのか」「それでどうやって生きていくんだ」
NEWSポストセブン
インタビュー中にアクシデントが発生した大谷翔平(写真/Getty Images)
《大谷翔平の上半身裸動画騒動》ロッカールームでのインタビューに映り込みリポーター大慌て 徹底して「服を脱がない」ブランディングへの強いこだわり 
女性セブン
映画『八日目の蝉』(2011)にて、新人俳優賞を受賞した渡邉このみさん
《ランドセルに画びょうが…》天才子役と呼ばれた渡邊このみ(18)が苦悩した“現実”と“非現実”の境界線 「サンタさんを信じている年齢なのに」
NEWSポストセブン
アーティスト活動を本格的にスタートした萌名さん
「二度とやらないと思っていた」河北彩伽が語った“引退の真相”と復帰後に見つけた“本当に成し遂げたい夢”
NEWSポストセブン
放送作家でコラムニストの山田美保子さんが、小泉家について綴ります
《華麗なる小泉家》弟・進次郎氏はコメ劇場でワイドショーの主役、兄・孝太郎はテレビに出ずっぱり やっぱり「数字を持っている」プラチナファミリー
女性セブン
調子が上向く渋野日向子(時事通信フォト)
《渋野日向子が全米女子7位の快挙》悔し涙に見えた“完全復活への兆し” シブコは「メジャーだけ強い」のではなく「メジャーを獲ることに集中している」
週刊ポスト
1966年はビートルズの初来日、ウルトラマンの放送開始などが話題を呼んだ(時事通信フォト)
《2026年に“令和の丙午”来たる》「義母から『これだから“丙午生まれの女”は』と…」迷信に翻弄された“昭和の丙午生まれ”女性のリアルな60年
NEWSポストセブン
6月2日、新たに殺人と殺人未遂容疑がかけられた八田與一容疑者(28)
《別府ひき逃げ》重要指名手配犯・八田與一容疑者の親族が“沈黙の10秒間”の後に語ったこと…死亡した大学生の親は「私たちの戦いは終わりません」とコメント
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問される佳子さま(2025年6月4日、撮影/JMPA)
《ブラジルへ公式訪問》佳子さま、ギリシャ訪問でもお召しになったコーラルピンクのスーツで出発 “お気に入り”はすっきり見せるフェミニンな一着
NEWSポストセブン
渡邊渚さんが性暴力問題について思いの丈を綴った(撮影/西條彰仁)
《渡邊渚さん独占手記》性暴力問題について思いの丈を綴る「被害者は永遠に救われることのない地獄を彷徨い続ける」
週刊ポスト