ライフ

身近な薬が不調を招く可能性 風邪薬で認知機能低下、糖尿病薬で肝機能障害も

(写真/Getty Images)

何気なく飲んでいる薬に潜むリスクとは?(写真/Getty Images)

 病気を治してくれるはずの薬がかえって体を蝕んでいる──日進月歩の医学界だがそんな皮肉な現実が存在する。頭痛やふらつき、認知機能の低下、高血圧……。「病気かも」と思う前にまず疑ってほしい、あなたがのんだその一粒の副作用。

 身近な薬が体調不良の原因であるケースは珍しくない。在宅医療で患者と向き合いながら減薬に取り組む、たかせクリニック理事長の高瀬義昌さんは、風邪薬が認知機能の低下を招くことがあると指摘する。

「市販の総合感冒薬や花粉症の薬に配合されている『抗ヒスタミン薬』の副作用がそれに該当します。特に高齢者の場合は症状として表れやすく、容量を守っていても頭がぼんやりしてしまうことが多い。市販で誰でも気軽に手に入れることができる薬だからこそ注意が必要です」

 ナビタスクリニック川崎の内科医・谷本哲也さんは、せき止め薬のリスクを指摘する。

「せき止め薬に含まれる『コデインリン酸塩水和物』には副作用として便秘や排尿障害が報告されています。健康体の人ならばほとんど問題になりませんが、慢性的な便秘や前立腺肥大症を抱えていれば、さらにひどい状態になる恐れがあるうえ、それがのんでいるせき止め薬のせいだと気がつくのは難しい。悪化して腸閉塞を発症するケースすらあります」

 70代以上の女性の過半数がのんでいるとされる降圧剤も、副作用として不調が表れる事例は少なくない。松田医院和漢堂院長で日本初の「薬やめる科」を開設した松田史彦さんはいう。

「副作用に気がつかないまま年単位で薬をのみ続ける人もいます。たとえば『何年も歯茎の腫れに悩んでいる』と来院した70才男性がいましたが、診察してみると口腔内に異常はない。しかし副作用として歯茎の腫れが報告されているカルシウム拮抗剤の『ニフェジピン』を長年にわたって服用していた。試しに薬をやめてみるとすぐに腫れはおさまりました」(松田さん)

 降圧剤と並んで閉経後の女性の服用率が高いコレステロールの薬にも注意すべき副作用がある。

「代表的な抗コレステロール薬であるスタチン製剤の一種『アトルバスタチンカルシウム水和物』をのみはじめた50代の患者が、就寝時に悪い夢を見てうなされるようになったと悩んでいました。まさかと思い調べてみると副作用欄に『悪夢』と書かれていた。処方をやめたら症状も消えました」(松田さん)

関連キーワード

関連記事

トピックス

6月は“毎年絶好調”というデータも(時事通信フォト)
《ホームラン量産モードの大谷翔平》6月は“毎年絶好調”で「月間20本塁打」もあるか? 見えてくる「年間60本塁打」昨季を超える異次元記録
週刊ポスト
イケオジたちの魅力を山田美保子さんが語る
竹野内豊、仲村トオル、阿部寛、そしてロバート秋山竜次も…“アラフィフ・アラ還”イケオジ芸能人たちの魅力 高身長という共通点も
女性セブン
“教育虐待”を受けたと主張する戸田容疑者の家庭環境とは── (時事通信社)
「母親から数万円の振り込み断られた」東大前駅切りつけ事件・戸田佳孝容疑者(43)の犯行動機に見える「失われた世代」の困難《50万人以上の高齢者が子に仕送りの推計データも》
NEWSポストセブン
秋篠宮と眞子さん夫妻の距離感は(左・宮内庁提供、右・女性セブン)
「悠仁さまの成年式延期」は出産控えた姉・眞子さんへの配慮だった可能性「9月開催で眞子さんの“初里帰り”&秋篠宮ご夫妻と“初孫”の対面実現も」
NEWSポストセブン
性的パーティーを主催していたと見られるコムズ被告(Getty Images)
《フリーク・オフ衝撃の実態》「全身常にピカピカに」コムズ被告が女性に命じた“5分おきの全身ベビーオイル塗り直し”、性的人身売買裁判の行方は
NEWSポストセブン
大食いYouTuber・おごせ綾さん
《体重28.8kgの大食いタレント》おごせ綾(34)“健康が心配になる”特殊すぎる食生活、テレビ出演で「さすがに痩せすぎ」と話題
NEWSポストセブン
美智子さまが初ひ孫を抱くのはいつの日になるだろうか(左・JMPA。右・女性セブン)
【小室眞子さんが出産】美智子さまと上皇さまに初ひ孫を抱いてほしい…初孫として大きな愛を受けてきた眞子さんの思い
女性セブン
出産を間近に控える眞子さん
眞子さん&小室圭さんがしていた第1子誕生直前の “出産準備”「購入した新居はレンガ造りの一戸建て」「引っ越し前後にDIY用品をショッピング」
NEWSポストセブン
不倫報道の渦中にいる永野芽郁
《永野芽郁が見せた涙とファイティングポーズ》「まさか自分が報道されるなんて…」『キャスター』打ち上げではにかみながら誓った“女優継続スピーチ”
NEWSポストセブン
子育てのために一戸建てを購入した小室圭さん
【眞子さん極秘出産&築40年近い中古の一戸建て】小室圭さん、アメリカで約1億円マイホーム購入 「頭金600万円」強気の返済計画、今後の収入アップを確信しているのか
女性セブン
カジュアルな服装の小室さん夫妻(2025年5月)
《親子スリーショットで話題》小室眞子さん“ゆったりすぎるコート”で貫いた「国民感情を配慮した極秘出産」、識者は「十分配慮のうえ臨まれていたのでは」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 「コメ上納」どころではない「議員特権の米びつ」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 「コメ上納」どころではない「議員特権の米びつ」ほか
NEWSポストセブン