芸能

立川談志が「これだけは世に出すな」と言った、手に汗握る五日間がCD化

『伝説の談志五夜』がいよいよ…

『伝説の談志五夜』がいよいよ…

 放送作家、タレント、演芸評論家で立川流の「立川藤志楼」として高座にもあがる高田文夫氏が『週刊ポスト』で連載するエッセイ「笑刊ポスト」。今回は、芸人人生におけるポイントとなるライブについてつづる。

 * * *
 芸人や歌手には「あの会がきっかけ」、「あのコンサートでブレイク」などエンターテイメントの中でポイントとなるライブがある。落語で言えば若き日の「志ん朝七夜」である。伝説の中で私は二夜、間にあった。

 そこで今回は噂とか幻でしかなかった『伝説の談志五夜』(日本コロムビア)がいよいよ4枚のCD化となった話。私とギャグ本なども出した作家の和田尚久がコツコツと国立劇場へ通い出しあらゆる音源をききまくり国立演芸場でのタブーな「談志五夜」を各所へ根まわしして遂にCD化へこぎつけた。和田からカバーにコメントを求められたのでこう書いた。《談志は言った。「これだけは世に出すな」と。by高田文夫》

 この一行で充分だと思う。1995年3月の話である。この時談志59歳、私47歳。一番威勢のいい頃である。男盛りやんちゃ盛り。私は第一夜で一席やって、第三夜楽屋へ遊びに。そこへ天下の中村勘九郎(十八代勘三郎)もやってきてパーッと飲みに行ったはいいが、深夜2時くらいか、談志はもう嬉しくてベロベロ。「明日もう行かな~い。第四夜、勘九郎、舞台上がって代わりにあやまってくれ。オイッ高田。お前はたけし連れて国立に来い」だと。もうメチャクチャ。皆さんご存じのあの事故のすぐ後である。まだ眼帯もしてるし、テレビにも一度も出ていない状態である。本当のことを言えばきっと談志はたけしが心配で早く逢いたかったのだと思う。こういう形にすれば高田が何とかしてくれるだろうと思ったのだと今なら合点する。

 第四夜、宿酔いで高座の隅で笑っている談志に中央で勘九郎、たけし、私という圧倒的な写真が家にある。今度私のブログ(「おもひでコロコロ」)に発表しようと思う。

関連キーワード

関連記事

トピックス

元皇族の眞子さんが極秘出産していたことが報じられた
《極秘出産の眞子さんと“義母”》小室圭さんの母親・佳代さんには“直接おめでたの連絡” 干渉しない嫁姑関係に関係者は「一番楽なタイプの姑と言えるかも」
NEWSポストセブン
岐阜県を訪問された秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年5月20日、撮影/JMPA)
《ご姉妹の“絆”》佳子さまがお召しになった「姉・眞子さんのセットアップ」、シックかつガーリーな装い
NEWSポストセブン
会話をしながら歩く小室さん夫妻(2025年5月)
《極秘出産が判明》小室眞子さんが夫・圭さんと“イタリア製チャイルドシート付ベビーカー”で思い描く「家族3人の新しい暮らし」
NEWSポストセブン
ホームランを放ち、観客席の一角に笑みを見せた大谷翔平(写真/アフロ)
大谷翔平“母の顔にボカシ”騒動 第一子誕生で新たな局面…「真美子さんの教育方針を尊重して“口出し”はしない」絶妙な嫁姑関係
女性セブン
川崎春花
女子ゴルフ“トリプルボギー不倫”で協会が男性キャディにだけ「厳罰」 別の男女トラブル発覚時に“前例”となることが避けられる内容の処分に
NEWSポストセブン
寄り添って歩く小室さん夫妻(2025年5月)
《木漏れ日の親子スリーショット》小室眞子さん出産で圭さんが見せた“パパモード”と、“大容量マザーズバッグ”「夫婦で代わりばんこにベビーカーを押していた」
NEWSポストセブン
六代目体制は20年を迎え、七代目への関心も高まる。写真は「山口組新報」最新号に掲載された司忍組長
《司忍組長の「山口組200年構想」》竹内新若頭による「急速な組織の若返り」と神戸山口組では「自宅差し押さえ」の“踏み絵”【終結宣言の余波】
NEWSポストセブン
第1子を出産した真美子さんと大谷(/時事通信フォト)
《母と2人で異国の子育て》真美子さんを支える「幼少期から大好きだったディズニーソング」…セーラームーン並みにテンションがアガる好きな曲「大谷に“布教”したんじゃ?」
NEWSポストセブン
俳優・北村総一朗さん
《今年90歳の『踊る大捜査線』湾岸署署長》俳優・北村総一朗が語った22歳年下夫人への感謝「人生最大の不幸が戦争体験なら、人生最大の幸せは妻と出会ったこと」
NEWSポストセブン
漫才賞レース『THE SECOND』で躍動(c)フジテレビ
「お、お、おさむちゃんでーす!」漫才ブームから40年超で再爆発「ザ・ぼんち」の凄さ ノンスタ石田「名前を言っただけで笑いを取れる芸人なんて他にどれだけいます?」
週刊ポスト
違法薬物を所持したとして不動産投資会社「レーサム」の創業者で元会長の田中剛容疑者と職業不詳・奥本美穂容疑者(32)が逮捕された(左・Instagramより)
「よだれを垂らして普通の状態ではなかった」レーサム創業者“薬物漬け性パーティー”が露呈した「緊迫の瞬間」〈田中剛容疑者、奥本美穂容疑者、小西木菜容疑者が逮捕〉
NEWSポストセブン
大阪・関西万博で「虫が大量発生」という新たなトラブルが勃発(写真/読者提供)
《万博で「虫」大量発生…正体は》「キャー!」関西万博に響いた若い女性の悲鳴、専門家が解説する「一度羽化したユスリカの早期駆除は現実的でない」
NEWSポストセブン