眞子内親王(当時)とその婚約相手だった小室圭さんの結婚への歩みは、まさに「国民の一大関心事」だった。その端緒となったのは、2017年6月のNHKの婚約内定報道に他ならない。前天皇の退位をいち早く報じたのも、NHKである。皇室の内部に食い込んだ記者の存在が指摘された。そうした報道に、当の皇族はどう思われていたのか。【全3回の第3回。第1回から読む】
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婚約内定をスクープしたNHKに情報をリークしたのは、秋篠宮だという報道すらあった。秋篠宮と30年来の交流を持ち、『秋篠宮』の著者でもあるジャーナリストの江森敬治氏は、直接、本人にその真偽を尋ねたことがある。
すぐに秋篠宮はこう本音を漏らした。
「できれば、早く訂正したいですよ」
理由として秋篠宮は、「あの記者は、私はテレビでしか見たことがありません」と語ったという。
しかし、秋篠宮が実際に「訂正」することはなかった。5月11日出版予定のインタビュー録『秋篠宮』にこんなやり取りがある。
〈眞子内親王に関する報道が繰り返されていたある日のこと、私は秋篠宮に報道の是非について尋ねてみた。
── 一部の報道に対して、ご意見やご感想を教えてください。
「当方の姿勢として、間違った記事が出てもよほどのことがない限り、訂正を求めたり抗議をしたりすることはいたしません。あるパラグラフの中にある不正確な箇所を指摘することは、それ以外は全て正確ということになるからです。週刊誌ではありませんが、最近はSNSでの情報拡散も多々あります。かなりけしからん記述も見られますが、それらまで含めて対応するのは、とてもできることではありません」〉
江森氏は、秋篠宮からある種の諦念すら感じたという。
「皇室報道が憶測混じりになる背景には、宮内庁の対外発信が限られているという事情もあります。情報が少ないからこそ、ウワサが横行します。それを週刊誌が嗅ぎつけて報道します」(江森氏)
結婚を巡る一連の報道は、小室圭さんと眞子さんの米ニューヨーク転居によって、一定の収束をみた。しかし、佳子内親王や悠仁親王、愛子内親王ら若き皇族が、そう遠くない将来に直面する問題だろう。【了。第1回から読む】