芸能

『ちむどんどん』、沖縄が舞台だからこそ描ける深い人間ドラマと絶景の強み

実は「てびち」(豚足の煮付け)が苦手な黒島結菜

『ちむどんどん』のヒロイン・ 黒島結菜 は沖縄出身

 4月からスタートした黒島結菜主演のNHK連続テレビ小説『ちむどんどん』。沖縄を舞台にした朝ドラとしては3作目となる。コラムニストのペリー荻野さんは「沖縄だからできることと沖縄だから考えることがある」と言う。以下、ペリーさんによる解説だ。

 * * *
「ちむどんどんしてきたー!!」

 ヒロインの暢子(黒島結菜)が叫ぶ今週の『ちむどんどん』。決まりかけていた就職を断り、気持ちがふさいでいる中、コンテストに参加する料理部の助っ人になったことで、出てきた“胸がわくわくする気持ち”を表す言葉である。

 物語は、沖縄の「やんばる地域」で生まれ育った暢子とその兄弟たちが、傷つきながらも励まし合って生きる姿を描く。しっかり者の長女・良子(川口春奈)は念願の先生になり、気になる人がいる様子。三女の歌子(上白石萌歌)は、音楽教師の下地(片桐はいり)に追いかけられる。中でも心配なのは、仕事が定まらず、一攫千金を狙っているらしい長男・賢秀(竜星涼)。朝ドラは、「主人公が親戚のように思えたらヒットする」というのが、私の作った鉄則だが、そろそろこの兄妹の“親戚感”が増してきた。

 特に2017年のドラマ『アシガール』のファンだった身としては、戦国時代にタイムスリップし、戦場で地元の若様(伊藤健太郎)を「若君さま~」と全力疾走で追いかけていた黒島が、このドラマでも足が速い設定で校庭を走っているのを見れば「やんばるアシガール!!」と応援せずにはいられないというものだ。

 しかし、このドラマを見ていて、「沖縄を舞台にしたドラマには、沖縄だからできることと沖縄だから考えることがある」と気がついた。

 沖縄だからできることの第一は、なんといっても圧倒的な美しさの風景が織り込めることだ。青い海と森の緑。素晴らしい景色を眺められるだけで、朝から幸せな気持ちになる。音楽、食、ゆったりした時間の感覚、これは沖縄ドラマならではの大きな強みだ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

新横綱・大の里(時事通信フォト))
《地元秘話》横綱昇進の“怪物”大の里は唯一無二の愛されキャラ「トイレにひとりで行けないくらい怖がり」「友達も多くてニコニコしてかわいい子だったわ」
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問されている秋篠宮家の次女・佳子さま(時事通信フォト)
《スヤスヤ寝顔動画で話題の佳子さま》「メイクは引き算くらいがちょうどよいのでは…」ブラジル訪問の“まるでファッションショー”な日替わり衣装、専門家がワンポイントアドバイス【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
ミスタープロ野球として、日本中から愛された長嶋茂雄さんが6月3日、89才で亡くなった
長島三奈さん、自身の誕生日に父・長嶋茂雄さんが死去 どんな思いで偉大すぎる父を長年サポートし続けてきたのか
女性セブン
イギリス出身のインフルエンサーであるボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
金髪美女インフルエンサー(26)が “性的暴力を助長する”と批判殺到の「ふれあい動物園」企画直前にアカウント停止《1000人以上の男性と関係を持つ企画で話題に》
NEWSポストセブン
逮捕された波多野佑哉容疑者(共同通信)。現場になったラブホテル
《名古屋・美人局殺人》「事件現場の“女子大エリア”は治安が悪い」金髪ロングヘアの容疑者女性(19)が被害男性(32)に密着し…事件30分前に見せていた“親密そうな様子”
NEWSポストセブン
東京・昭島市周辺地域の下水処理を行っている多摩川上流水再生センター
《ウンコは資源》排泄大国ニッポンが抱える“黄金の資源”を活用できてない問題「江戸時代の取引金額は10億円前後」「北朝鮮では売買・窃盗の対象にも」
NEWSポストセブン
マッチングアプリぼったくり。押収されたトランプやメニュー表など。2025年5月15日、東京都渋谷区(時事通信フォト)
《あまりに悪質》障害者向けマッチングアプリを悪用した組織的ぼったくりの手口、女性がターゲットをお店に誘い出し…高齢者を狙い撃ちする風俗業者も
NEWSポストセブン
ブラジル公式訪問中の佳子さま(時事通信フォト)
《佳子さまの寝顔がSNSで拡散》「本当に美しくて、まるで人形みたい」の声も 識者が解説する佳子さま“現地フィーバー”のワケ
NEWSポストセブン
“じゃないほう”だった男の挑戦はまだまだ続く
「いつか紅白で『白い雲のように』を歌いたい」元猿岩石・森脇和成が語る有吉弘行との「最近の関係性」
NEWSポストセブン
白鵬の活動を支えるスポンサー企業は多いと思われたが…
白鵬「世界相撲グランドスラム」構想でトヨタ以外の巨大スポンサー離反の危機か? “白鵬杯”スポンサー筆頭格SANKYOは「会見報道を見て知った。寝耳に水です」
週刊ポスト
6月13日、航空会社『エア・インディア』の旅客機が墜落し乗客1名を除いた241名が死亡した(時事通信フォト/Xより)
《エア・インディア墜落事故》「ボタンが反応しない」「エアコンが起動しない」…“機内映像”で捉えられていた“異変”【乗客1名除く241名死亡】
NEWSポストセブン
金スマ放送終了に伴いひとり農業生活も引退へ(常陸大宮市のX、TBS公式サイトより)
《金スマ『ひとり農業』ロケ地が耕作放棄地に…》名物ディレクター・ヘルムート氏が畑の所有者に「農地はお返しします」
NEWSポストセブン