『女性セブン』の名物ライター“オバ記者”こと野原広子が、自らの日常と照らし合わせながら、気になる世の中のアレコレに気ままな意見を投げかける。今回は、縁は異なもの、“ひょん”なものについて綴る。
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「またですか? オバの話って、『ひょんなことから』が多くないですか? しかも、その“ひょん”がでかい」
しばらく前のこと、ライターの後輩Y子(42才)と街の食堂で飲んでいたら、そう言って呆れられたの。
「女性作家のTさんと飲んだら、初対面でいきなり盛り上がった」と言ったら、Tさんの大ファンの彼女は興奮気味に身を乗り出してくる。そこでそのいきさつを説明したら、冒頭の「またですか?」になったわけ。
あえて「女性作家さん」というのは、これから書くことは彼女のプロフィールに載っていないことだからだ。
その日は仕事仲間のJ子(55才)と飲もうということになっていた。そこにTさんが合流するという。Tさんの名前は知っていたけど、それ以上の知識はまったくゼロ。不安に思っていたら、J子は「大丈夫、大丈夫。気さくな人だからオバも気が合うと思うよ」と言う。それを鵜呑みにして個室居酒屋で乾杯したんだけど、なんだ、なんだ!? 数分後には「高校、どごで?」と私が聞くと、「○○高」とTさん。「ギャハハ。んじゃ、××さんと同級げ?」「イッコ下だな」と茨城弁が炸裂していたの。
きっかけは、茨城1区の田所嘉徳衆議院議員。私が田所議員の事務所でアルバイトをしていると言ったら、「私、子供の頃からその人、知ってる。町中にポスターが張ってあったもの」とTさん。J子は「ええ〜っ、偶然、Tさんとオバと田所さんは実家が近くだったってわけ? こんなことってあるの!」と驚くまいことか。
そりゃあ私だって驚いたけど、同時に「またか」でもあるのよね。てか、そもそもTさんと私をつなげた田所議員と私の出会いも“ひょん”だもの。
私の30年越しの男友達Iさん(72才)はいわゆるパーリーピーポーで、用事があると「ボンジュール、マドモアゼル」などとふざけた電話をかけてくる。用事といっても、政治家のパーティー券が余っているから来ないかとか、たいがいは飲みの誘いよ。
その日もそう。Iさんの誕生会で田所議員と出会ったのは、天下の帝国ホテル。取材以外で国会議員と話すのは初めてだったけど、顔を合わせた数分後に同郷であることがわかってびっくり仰天。それからのご縁だ。
思えば、こういうことって昔からだったのよね。千葉の佐原市に取材旅行したとき、たまたま入ったお店で隣り合った人が仕事仲間のいとこだったり、徳島の旅館の親父さんの親友が私の知人だったり。