最大で10連休となった今年のゴールデンウィークが明けた。コロナ禍で迎える3度目のこの季節、全国の新入社員たちを悩ませているのが「五月病」ではないか。先日、『45cmの距離感 -つながる機能が増えた世の中の人間関係について-』(WAVE出版)を上梓したエッセイストの小林久乃氏が、『トリセツ』シリーズで知られる脳科学者・黒川伊保子氏に五月病を緩和する方法について聞いた。
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春先から乱高下気味の気温が続き、私自身、心身が疲弊していたように思う。人間はロボットではなく、日本人なら四季に触れ、日本らしい行事を体感しつつ生活をしている。だからこそ今、5月の気持ちが良い気候は愛おしい。また今年も酷暑になるのだろうか。夏前のウォーミングアップのような気持ちである。
ただこんな爽やかな結論でいるのは私だけかもしれない。5月といえば……これまた日本の風物詩と言われる、五月病のシーズンでもある。連休が明け、あちこちから「仕事に行きたくない」という声が聞こえてくる。
五月病は正式な医学用語ではないが、就職や入学などで4月から新しい環境での生活をスタートさせた人が、その緊張やストレスから、5月の連休明け頃に「無気力」や「不安感」が強い状態が続くことを指す。
一人で飲んでいると「周囲とどんなふうに合わせていいのか分からないから、もう辞めようと思うんです」と若者から相談をされたりする。はたまたSNSでは「3日で辞めて、これからはブログを書いてフリーランスで働こうと思います!」という猛者(?)も見かけた。とにかくそういった声が多い。会社員ではない私のところにまで届くのだから、Z世代の間ではもっとハードな会話が交わされているはずだ。
会社を辞めるのが悪いとは言わない。ただ、それが“五月病”的な衝動によるものだとすれば、なんだか少しもったいないような……? との考えが膨らんできた。