中日・立浪和義監督は非情なのか──。遊撃のレギュラーだった京田陽太がファームに降格した一件が話題となった。
京田は打率1割台と低迷していた。持ち味の守備でもミスが目立ち、4月下旬以降はスタメンを外れることも。奮起が期待されたが、パフォーマンスは上向かない。指揮官の逆鱗に触れたのは5月4日のDeNA戦だった。0-0の4回に京田が先頭打者・大和の打球をファンブルして内野安打に。この拙守の直後に、岡田俊哉が嶺井博希に先制2ランを被弾。
5回に打席が回ってきた京田は途中交代させられ、試合中に二軍降格を命じられるや、試合終了を待たずして名古屋に強制送還されたことが報じられた。立浪監督は「戦う顔をしていなかったので帰らせました」と切り捨てた。
スポーツ紙デスクは、立浪監督の決断に理解を示す。
「たしかに京田は喜怒哀楽を前面に出してプレーするタイプではない。そのため、結果が出ないと淡白に見えてしまうが、問題はそこだけではないと思う。中日は長年低迷しているが、内野のレギュラーは京田、高橋周平、ビシエドと固まっていた。彼らは結果が出なくても脅かす存在がいないからスタメンで起用されてきた。そうなると、どうしても危機感が芽生えにくくなる。
与田剛前監督は選手に寄り添う姿勢だったが、それがマイナスに働いてしまう部分も正直あったと思う。昨年は負けているのに試合中に選手に笑顔が見られた。以前の中日だったら考えられないことです。星野仙一、落合博満と名監督の下でプレーしてきた立浪監督は勝つための哲学を叩きこまれている。昨年までが甘すぎたのであって、本当の改革はこれからだと思います」