臨床心理士・経営心理コンサルタントの岡村美奈さんが、気になったニュースや著名人をピックアップ。心理士の視点から、今起きている出来事の背景や人々の心理状態を分析する。今回は、突然の訃報が伝えられたお笑い芸人の上島竜兵さん(享年61)について。
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このような訃報に接すると「なぜ」という言葉しか出てこない。だがその問いに答えを求めているわけではない。理由を知りたいわけでもない。ただただ「なぜ」と思うだけだ。
お笑いトリオ「ダチョウ倶楽部」の上島竜兵さんが5月11日の未明に亡くなられた。3日には、俳優の渡辺裕之さん(享年66)が亡くなられたばかりだ。芸能界の相次ぐ突然の訃報に接し、元気に活躍していた姿が思い浮かんでくる。
上島さんはリアクション芸の第一人者だった。アツアツのおでんを顔につけられたり口に突っ込まれるおでん芸、熱いお湯の上にまたがり「押すなよ」と決めセリフを言いながら落とされる熱湯風呂、むちゃぶり後の「どうぞどうぞ」、ケンカの後のキス芸など、3人の息の合った芸は、毎回、何がどうなるのか分かっているのに笑ってしまう面白さがあった。
コロナ渦でイベントなどの開催が難しくなり、彼らのような身体を張ったリアクション芸を演じるのが難しくなっていたというが、ここ数年は俳優としても活動し、数々のドラマで芸人の時とは違う多彩な顔を見せていた。それでもやはり、「聞いてないよぉ」というギャクの時のように、いつも元気すぎるぐらいの陽気で明るい芸人としての屈託のない笑顔を思い出す。