国際情報

北朝鮮の青年同盟が資本主義ファッション取り締まり運動 社会的なパージも

青年同盟のパトロール隊は取り締まり厳格化へ

青年同盟のパトロール隊は取り締まり厳格化へ

 北朝鮮の朝鮮労働党直属の「社会主義愛国青年同盟」は4月末、全国規模の大会を開催し、「外国のファッションやヘアスタイルをまねる行為は『資本主義的傾向』であり、『反社会主義的慣習』だ」と定義した。これを受けて、青年同盟のパトロール隊は、長髪の若者や、髪を茶色などに染めている者、また英語や漢字など外国の文字を印刷したTシャツを着ている者やジーンズなどをはいている者について、男女を問わず厳しく取り締まっていく方針を決めた。米政府系報道機関「ラヂオ・フリー・アジア(RFA)」が報じた。

 社会主義愛国青年同盟は、10代から20代前半の若者グループであるソ連の「コムソモール」や「中国共産主義青年団」をモデルとしている。今年1月には創設76周年の記念大会を開催し、金正恩総書記や主体思想に忠誠を誓う決議などを発表している。

 北朝鮮では今年の4月15日は金日成主席の生誕110周年記念日で、25日は朝鮮人民革命軍創建90周年の記念日で、この2つの重要な記念日を祝って大規模な閲兵式が実施された。青年同盟の資本主義ファッション取り締まり運動はこれを受けたもので、金総書記に忠誠を誓い、社会主義社会を実現していくために必要だとの理念に基づいているという。

 北朝鮮の情報筋がRFAに明らかにしたところでは、今回の取り締まりは、主に20代から30代を対象にしており、パトロール隊が、韓国などの外国の映画やテレビに出てくるような外見や服装をした者の身柄を拘束し、地区の青年団事務所に連行。罪を告白する手紙を書かされて、家族に引き渡される。

 その後、「有罪」となれば、勤めている会社や社会主義愛国青年同盟の本部に通知。厳しい批判集会を経て、罪状がテレビニュースなど公表され、社会的にパージされることになるという。

関連キーワード

関連記事

トピックス

アメリカの人気女優ジェナ・オルテガ(23)(時事通信フォト)
「幼い頃の自分が汚された画像が…」「勝手に広告として使われた」 米・人気女優が被害に遭った“ディープフェイク騒動”《「AIやで、きもすぎ」あいみょんも被害に苦言》
NEWSポストセブン
TikTokをはじめとしたSNSで生まれた「横揺れダンス」が流行中(TikTokより/右の写真はサンプルです)
「『外でやるな』と怒ったらマンションでドタバタ…」“横揺れダンス”ブームに小学校教員と保護者が本音《ピチピチパンツで飛び跳ねる》
NEWSポストセブン
復帰会見をおこなった美川憲一
《車イス姿でリハビリに励み…》歌手・美川憲一、直近で個人事務所の役員に招き入れていた「2人の男性」復帰会見で“終活”にも言及して
NEWSポストセブン
遠藤敬・維新国対委員長に公金還流疑惑(時事通信フォト)
公設秘書給与ピンハネ疑惑の維新・遠藤敬首相補佐官に“新たな疑惑” 秘書の実家の飲食店で「政治資金会食」、高額な上納寄附の“ご褒美”か
週刊ポスト
複座型ステルス戦闘機J-20 米国のF-35に対抗するために開発された。第5世代ステルス戦闘機(写真=Xinhua/ABACA/共同通信イメージズ)
【中国人民解放軍「最新兵器」】台湾侵攻や海上封鎖を想定した軍事演習も 就役直後の最新空母、ステルス戦闘機から“犬型ロボット”まで、性能を詳細に分析
週刊ポスト
高市早苗首相(時事通信フォト)
高市早苗首相の「官僚不信」と霞が関の警戒 総務大臣時代の次官更迭での「キツネ憑きのようで怖かった」の逸話から囁かれる懸念
週刊ポスト
喫煙所が撤去されてホッとしていたのだが(写真提供/イメージマート)
《規制強化の動き》加熱式タバコユーザーのマナー問題 注意しても「におわないからいいじゃん」と開き直る人、タクシー車内で喫煙する人も
NEWSポストセブン
山本由伸選手とモデルのNiki(Instagramより)
「球場では見かけなかった…」山本由伸と“熱愛説”のモデル・Niki、バースデーの席にうつりこんだ“別のスポーツ”の存在【インスタでは圧巻の美脚を披露】
NEWSポストセブン
モンゴル訪問時の写真をご覧になる天皇皇后両陛下(写真/宮内庁提供 ) 
【祝・62才】皇后・雅子さま、幸せあふれる誕生日 ご家族と愛犬が揃った記念写真ほか、気品に満ちたお姿で振り返るバースデー 
女性セブン
村上迦楼羅容疑者(27)のルーツは地元の不良グループだった(読者提供/本人SNS)
《型落ちレクサスと中古ブランドを自慢》トクリュウ指示役・村上迦楼羅(かるら)容疑者の悪事のルーツは「改造バイクに万引き、未成年飲酒…十数人の不良グループ」
NEWSポストセブン
現在は三児の母となり、昨年、8年ぶりに芸能活動に本格復帰した加藤あい
《現在は3児の母》加藤あいが振り返る「めまぐるしかった」CM女王時代 海外生活を経験して気付いた日本の魅力「子育てしやすい良い国です」ようやく手に入れた“心の余裕”
週刊ポスト
上原多香子の近影が友人らのSNSで投稿されていた(写真は本人のSNSより)
《茶髪で缶ビールを片手に》42歳となった上原多香子、沖縄移住から3年“活動休止状態”の現在「事務所のHPから個人のプロフィールは消えて…」
NEWSポストセブン